研究分担者 |
石井 範子 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10222944)
平井 和恵 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (10290058)
武居 明美 群馬大学, 保健学研究科, 助教 (70431715)
高階 淳子 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70436187)
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研究概要 |
本研究の目的は, 抗がん剤曝露対策の推進を促すアプローチの要素を明確化し, 時間的な流れを踏まえアプローチモデル(案)を提案することであった. これまでに行った質的帰納的な研究から導きだされた結果を研究者間で協議し,合意を得え完成した.その後,看護管理者1名と認定看護師2名にモデルの妥当性に関する意見聴取を行い修正した. 要素としては,①指針作成への動機づけ ②指針作成への周囲からの期待 ③所属組織の内部特性の把握・分析 ④曝露対策普及啓発のための人材育成と活用 ⑤組織形成に向けた根回し ⑥指針作成の意見一致と組織の立ち上げ ⑦他者との協働によるエビデンスに基づく原案の作成 ⑧病院組織に合わせた原案の作成⑨病院組織における原案の承認 ⑩業務整理や器具の検討 ⑪浸透に向けた知識・技術の提供 ⑫浸透に向けた教育方法の工夫 ⑬曝露対策実施状況の評価と推進者の能力の14要素が見いだされた. 時間軸の流れでは7段階に区分され, 第1段階 指針作成への動機づけの強化と曝露対策推進への意見一致 第2段階 組織診断と土台づくり 第3段階 組織の立ち上げ,第4段階 指針原案作成と指針の承認 第5段階 指針完成 第6段階 指針に基づく曝露対策の浸透 第7段階 評価であった. 基盤には推進者に期待される能力(推進者としての資質)として,自ら実施すべき役割の認識,役割を遂行する内なる力, 交渉・調整・コミュニケーション力,他者に自分の考えを伝える力があることが明らかにされた. 次年度以降の介入にあたり推進者の期待される変化と研究者による具体的介入内容も明確化し,アプローチのための教材,組織診断方法,介入の成果を測定する曝露対策の現状アンケート項目を設定した.
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