研究課題/領域番号 |
24659990
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
村川 由加理 大阪市立大学, 看護学研究科, 講師 (20457930)
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研究分担者 |
坂口 桃子 大阪市立大学, 看護学研究科, 教授 (40290481)
作田 裕美 大阪市立大学, 看護学研究科, 教授 (70363108)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 周手術期看護 / 専門的看護介入システム / アクション・リサーチ |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、術前患者の全人的苦悩を包括的にサポートする専門的看護介入システム(術前患者を中心とした「術前看護専門外来」-病棟-手術室との連携)の基盤を構築することである。 本研究の目的達成に向け、平成26年度は、①実践家(看護師)との合同会議、②調査結果の分析及びフィードバック、③専門的看護介入システムの基盤構築に向けての検討を行った。 ①:合同会議を7回/年開催し、看護師、外科医師、医療情報課の意見を踏まえ、周手術期患者の看護の質の向上について検討し、研究計画へ反映した。 ②:調査結果から周手術期患者のニードを分析し、【手術に関する情報の充実】【身体的・心理的サポートの充実】が特に高いニーズであることを明確にした。分析結果を基に情報の充実に対しては、実践家、外科医師、医療情報課と検討して『手術に関するQ&A』を作成し情報を開示した。看護の充実に対しては、看護科長会、外科医師、医療情報課と情報共有し、周手術期看護の質向上に働きかけた。 ③:実践家、外科医師、医療情報課と連携し専門的看護介入システムの基盤構築について検討した。 研究期間全体を通して、看護師への術前看護実態調査から患者のニーズが不明確且つ短期間での術前看護介入が困難という実態を明確にした。また、患者調査から【手術に関する情報の充実】【身体的・心理的サポートの充実】が高いニーズであることを明確化し、ニーズに対応するために他職種と連携して看護の充実に貢献した。これらの結果を基に、現在、他職種と連携し、専門的看護介入システムの基盤構築を検討中である。以上より、周手術期患者の現実に即したニーズへの対応が可能となったことは、急性期看護臨床の専門性の発揮に寄与するという意義があり、術前看護の充実が困難という臨床上の問題解決が期待できる。また、周手術期患者の不安低減や合併症減少への期待という点でも重要な成果を得たと評価できる。
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