研究課題/領域番号 |
24659993
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
鳥谷 めぐみ 札幌医科大学, 保健医療学部, 講師 (00305921)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 軽症脳卒中 / 混合研究法 / 教育支援 / 再発予防 |
研究実績の概要 |
前年度の質問紙調査の分析に引き続き、インタビューデータの分析を行った。分析の結果、軽症脳卒中発症後には生活上の困難を感じている患者と感じていない患者が存在した。生活上の困難の内容は日常生活動作の困難と精神的苦痛に分類された。日常生活動作の困難は移動やコミュニケーション、知覚の鈍さ、複数課題の遂行、記憶障害などが含まれた。精神的苦痛は自信がなくなる、再発への不安、健康な自分とのギャップ、家族への遠慮、加齢の影響などが含まれた。これらの困難に対して手段的対処と情動的対処を行い、困難を解決しようと努力していた。手段的対処としては役割を減らす、行動範囲を変える、時間をかける、メモを取る、介護用品を利用する、再発の症状に注意する、他者の意見を取り入れるなどが語られた。情動的対処は発症までの自分とは異なっているということを自分に言いきかせるなどであった。手段的対処と情動的対処を組み合わせて困難を対処しようとしているが、対処がうまくいく場合とそうでない場合がみられた。 今年度はさらに、教育支援プログラムの開発準備を行った。効果的な教育支援プログラム開発のための文献検討および関連学会での情報収集を行った。具体的には、これまでの調査結果の分析に結果に加えさらに文献収集を行い、アウトカムと効果的な介入方法の検討を行った。アウトカムに関しては主要なアウトカム・副次的アウトカムの明確化を行った。これらの分析結果と文献検討結果をもとに軽症脳卒中再発予防プログラムを検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は再発予防教育支援プログラムを実施し効果を検証する予定であったが、データ分析に時間を要したこと、脳卒中の再発予防のアウトカムが多岐にわたり複雑であるため、効果的なアウトカムを抽出するための文献検討に時間を要したために実施が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今後はこれまでの研究成果をもとに、当初の計画に則ってプログラム開発を行う予定である。さらに論文として公表する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度はプログラム開発・検証のための予算を計上していたが、プログラム作成が遅れたため、検証のための経費が次年度使用額として生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
軽症脳卒中再発予防教育支援プログラムの開発・検証のために執行予定である。
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