小児がん経験者の支援に関する国際比較と長期フォローアップケアモデルの開発に向け、文献検討および海外におけるヒアリング調査を行った。その結果、成人後の女性小児がん経験者は女性特有の晩期障害とそれによる心理社会的問題を抱えていることが考えられた。そこで、我が国における成人後の女性小児がん経験者の健康問題及び生活状況と支援ニーズを明らかにすることを目的とした質問紙を作成し全国調査を実施した。 調査の結果、対象者の6割以上が気になる健康問題を有し、健康や体力に不安を抱えていること、将来の生殖機能に関わる問題や女性ホルモン補充療法に関する情報を求めているが、十分な情報提供を受けていないことなどが明らかとなり、欧米諸国の女性小児がん経験者と同様のニーズを抱えていることが示唆された。これらの結果より、思春期から段階的に女性特有の問題をふまえた支援及び情報提供の必要性が示唆された。 今後、本調査結果について国内外の学術雑誌に投稿予定である。
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