本研究の目的は、看護師が米国国立がん研究所が作成したがん治療に伴う予期せぬ症状を評価する指標であるCTCAEを用いて、造血幹細胞移植後の患者のGVHD皮膚障害を評価する際の正確性を明らかにすることである。急性/慢性GVHDの典型的な症状を呈した事例を作成し、CTCAEを用いて評価を行い、正答率が低かった項目について検討した。正答率が低かったのは皮疹などの皮膚の表面積を基準とした指標、皮疹の種類の鑑別が必要な指標、掻痒感などの患者の主観的な症状であった。CTCAEを用いて評価を行う際は、症状の鑑別などの事前教育が必要であると考えられる。
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