研究課題/領域番号 |
24660001
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
古川 亮子 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90300095)
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キーワード | 里帰り分娩 / ビデオ会話 / 親子愛着 / 夫婦関係 |
研究概要 |
里帰り分娩は、300年以上にもわたる日本の出産に関わる伝統であり、社会経済状況の変化にもかかわらず、現在でも約15%前後の妊娠している夫婦が妊娠・出産に関わる援助を実家の両親から受けるために選択していると考えられている。里帰り分娩の功罪は、医学の進歩に伴い、医学的リスクから社会的リスクにシフトされているといわれているが、大賀(2009)が里帰り分娩に関する研究の文献レビュー論文でも指摘しているように、里帰り分娩による父子の愛着形成や夫婦関係といった社会上の問題についての研究はみられていない。本研究では、里帰り分娩で別々に暮らす父(夫)と母(妻)子の家族構築、特に児童虐待/育児放棄の因子でもある父子の愛着形成・妊娠を契機に起こるドメスティックバイオレンスの因子にもなる夫婦関係に焦点を当て、ウェブカメラによるビデオ会話(video-mediated communication)で仮想共同空間を共有することで、父子の愛着形成および夫婦関係へのサポートや里帰り分娩後の夫婦と祖父母との家族の絆を深めるサポートになりうるかを検討するものである。 研究対象者は2つのグループ(対象者グループ(Treatment Group;TG):里帰り分娩で別々に暮らす夫婦でビデオ会話を利用する、非対象者グループ(Control Group;CG)に分けられ、ビデオ会話の効果について検討する。研究方法(Mixed Methods)より、質的および量的データのどちらの分析においても有効な参加者数が本年度中に確保でき(TG14組、CG13組)、現在データ収集を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成24年8月より研究参加者の募集を開始し平成25年10月で募集を終了したが、当初予定していたより募集に時間がかかってしまった結果、データ収集もやや遅れてしまっている。
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今後の研究の推進方策 |
本年度で質的データの収集が終了したため、質的データの分析を開始する。量的データは収集されたものからデータ入力をし、分析が可能なものから分析を行っていく。 分析を終えたものから結果をまとめ、学会および論文として発表する準備を整えていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度は研究参加者の募集とデータ収集が中心となり、データ入力・分析のための人件費や学会発表などの予算を使用することはなかった。 来年度にはデータ入力・分析および成果の発表のため、残った予算は来年度に使用する予定である。
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