研究課題/領域番号 |
24660006
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
兵頭 慶子 宮崎大学, 医学部, 教授 (50228756)
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研究分担者 |
水畑 喜代子 宮崎大学, 医学部, 講師 (40346242)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 早産 / 進行性変化 / 母乳育児 / 乳房皮膚温 / サーモグラフィ |
研究概要 |
22名の早産事例の乳房の進行性変化を、乳汁分泌、乳房表面皮膚温、乳房の主観および観察情報によりテータを収集し分析した。 [対象の背景]年齢は22~43歳、初産婦、経産婦各11名で、経腟分娩5、帝王切開17例で、超早産7、後期早産4名であった。 [結果] ①乳汁分泌量は、1か月では454.5mlと、正期産より少なかったが、19例が産褥1日から1か月までの搾乳量の増加を認め、搾乳回数を1日7回の維持ができ、児の必要量を満たすことができていた。②Riordanが推奨しているように1日8回の搾乳を実施できていたのは、1か月では23.5%であったが、7回以上維持できていたのは94.1%でああった。産褥7日までに1日乳汁分泌量が300ml以上あれば、母乳育児が継続できる目安になる。③乳房緊張は、正期産同様に産褥3日に上昇し、3日から5日にかけて乳汁分泌量の増加を認めた。④乳房表面皮膚温は、1日から3日へと広がり、1か月には75%を維持していた。乳汁分泌量の良否で比較したところ、産褥1日の乳房皮膚高温領域が80%を超え、前胸部全体に広がりを認める場合は、乳汁不良となる可能性が高い。⑤後期早産事例は、児が効果的な吸着を行えまま退院することが多く、1か月の時点で分泌量や分泌感、催乳感も減少を認めた。また、⑥母児分離状態の事例には、児からの直接的空腹感を訴えられることがないので、エモーショナルなサポートや催乳を促す働きかけが必要であることが示唆された。⑦サーモグラフィの画像で褥婦自身の乳房の状態を共有することにより、安心と継続の動機づけができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
正常な経過をたどる褥婦の乳房の変化と、ケアの効果を測定することは、先行研究の知見を活用し、実施しなかった。
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今後の研究の推進方策 |
正常な経過をたどる褥婦の乳房の変化と、早産事例の知見と合わせ、ケアの効果を測定する。また、ペインスコアなど主観情報と合わせ産婦の下肢などの皮膚温の測定を開始し、基礎データを収集する。
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次年度の研究費の使用計画 |
①「早産褥婦の進行性変化」について国内外の学会発表する。 ②産婦の皮膚温の測定については、特別なケアを提供しない事例には、謝金(図書カードなどにより)を支払う。 ③簡易のサーモグラフィを購入する。
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