前年度に「子どもへのデスエデュケーションやグリーフケアに関する認識と支援の実態について」のテーマで質問紙調査を実施した結果について、対象別に比較した。死別を経験した子どもの反応についての質問で、幼児の保護者では「子どもは死別を経験しても思っていることを何も話さない(話さなかった)」について「そう思わない、あまりそう思わない」の回答が多かったのに対して、保育士、教師、看護師では「ややそう思う、非常にそう思う」の回答が多かった。また「子どもは大切な人の「死」を自分のせいだと感じる(そう話した)」「子どもは死別を経験すると怒りを表出する(表出した)」の質問で、看護師が「ややそう思う」と回答した割合が若干高かった。すべての対象で「子どもに事実を伝える」ことなどの必要性は感じていても、「死や病気について子どもがわかるように話す」ことなどの困難性が高く現れていた。 これらの結果のうち、保護者への調査結果を石川看護雑誌に投稿した。 本研究を通して、対象者間の認識の共通性と差異について明らかになり、医療従事者としてのかかわり方を再考できた。子どもへのグリーフケアに関して医療者が担える部分を明確にし、日ごろ子どもと関わる時間の多い保育士・教師等の支援者と保護者と協働して子どもを支えていける体制や資源について引き続き検討していきたい。自分が実践したいと考えている、同じ体験をした子どもが集まる「場」については、認知度もニーズも高くなかった。しかし、死別や喪失体験をする子どもは存在するため、そのような子どもを支援できる「場」の存在を知らせていくところから活動し、実践につなげていく。
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