小児がん経験者に共通した語りの内容から、発病時の強い情緒的反応は医療PTSDにつながる問題と考えられ、医療PTSD予防に向けた発病時の看護の重要性が示された。また、闘病による心理的成長に至っていたSOC・PTG高得点群の語りには、発病時の強い情緒的反応の後に体験した価値観・信念・自己像を再構築しようとする「もがき」があり、この渦中がひとつの岐路となることが示された。今後は、「もがき」の渦中をより詳細に分析して、闘病による心理的成長の過程を構造化していくことが、小児がん体験による医療PTSD予防に向けたプログラムの作成に有効であると示唆された。
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