研究課題/領域番号 |
24660016
|
研究種目 |
挑戦的萌芽研究
|
研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
栗原 明美 順天堂大学, 保健看護学部, 講師 (50464780)
|
研究分担者 |
近藤 ふさえ 順天堂大学, 保健看護学部, 教授 (70286425)
志田 京子 順天堂大学, 保健看護学部, 准教授 (20581763)
武井 泰 順天堂大学, 保健看護学部, 講師 (10460495)
桑村 淳子 順天堂大学, 保健看護学部, 助教 (80615815)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 特別養護老人ホーム / 看取り |
研究概要 |
特別養護老人ホームにおける看取り介護の現状や課題を視点とした研究報告をみると、高齢者自身の死生観や施設でケアをおこなうスタッフの視点からの問題は数多く報告されているものの、ケアを受ける側が看取り介護を了承する(自己決定する)に至るまでの精神的な問題について、現場ではその対応に苦慮しているにも関わらず、対策を示唆するような報告は見当たらない。 特別養護老人ホームで看取り介護を選択することを決定或いは了承するのは、死期の近づいた高齢者自身の意志というより、キーパーソンとなる周囲の兄弟や配偶者、子世帯の主観に依存するところが大きい。高齢者を取り巻くそれら周辺の人々が、施設における看取り介護をよりよく受容できるための支援として、どのような要因が必要とされるのかを探索するために、「看取り介護受容度を測定する尺度」の作成を目指している。その第1歩として、関連する項目ステートメントを収集するために、看取り介護を推奨している特別養護老人ホームで働く看護師や介護職員と親や配偶者がホームに入居している家族に対してそのテーマを「今後、家族または配偶者に施設から看取り介護について家族で話あうように勧められた際、看取り介護を受容していくための条件や要因について日頃考えていること」と設定し、グループディスカッションを行った。 出された意見を集約し、ブレーンストーミングを行った結果を2013年6月に開催される日本老年医学会で発表することが決まっている。 一方これらの問題を欧米先進国の中でも特にEnd of Life Care (EoLC) プロジェクト展開しているイギリスでは、どのように対応しているのかを視察する機会を得たため(2013年3月)、高齢者の看取り介護問題をより幅広い視点で論じるための準備を進めている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の課題を達成するためには、できるだけ数多くの施設に協力を仰ぐ必要があるが、まだ協力を依頼するための準備が整っていないため、予定よりやや遅れている状況である。また、初年度国際学会に参加、海外施設視察の機会を得たため、我が国における特別養護老人ホームの現状だけを考えるのではなく、国際レベルで比較することで、日本の問題がより明確化できる点に気がつき、現在その方面からも資料収集していることから、研究そのものの進行は、やや遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
国内の各施設に調査を依頼する準備を早急に整え、直接訪問による依頼または文章を郵総することにより協力を依頼し、了承いただける施設を確保し、「特別養護老人ホームでの看取り介護受容を規定する要因」を明確に整理し、尺度の信頼性、妥当性を検討することを目標としている。
|
次年度の研究費の使用計画 |
全国から研究協力施設を募るために、研究の主旨説明を兼ねた施設訪問旅費、アンケート調査を依頼するための謝礼、郵送費用、及び研究成果発表のための学会登録費用、発表のための旅費(国内外含む)、論文投稿のための費用として使用予定。
|