研究課題/領域番号 |
24660016
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
栗原 明美 順天堂大学, 保健看護学部, 准教授 (50464780)
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研究分担者 |
近藤 ふさえ 順天堂大学, 保健看護学部, 教授 (70286425)
志田 京子 順天堂大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (20581763)
武井 泰 順天堂大学, 保健看護学部, 講師 (10460495)
桑村 淳子 順天堂大学, 保健看護学部, 助教 (80615815)
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キーワード | 特別養護老人ホーム / 看取り介護 |
研究概要 |
本研究のテーマである「特別養護老人ホームでの看取り介護受容に影響を与える要因の検討」について、平成25年度に行った研究についての具体的な進捗状況は、全国で看取り介護加算を申請している特別養護老人ホームの中から無作為に抽出した施設において、調査協力に了承していただいた施設職員及び入居者家族に対し、研究協力者を通じて看取り介護を受容するために必要と思われる項目についての意識調査票を配布し、郵送での返送を依頼した。 調査票の内容は、事前にA特別養護老人ホームの職員家族を対象とした季節行事の一つである懇談会において本研究のテーマである看取り介護を受容するために影響を与えていると考えられる要因について施設職員、入居者家族とで自由に話しあった結果を分析した。具体的には、会議録の内容を、老年心理学の専攻および、介護福祉を専攻する大学教員と研究代表者の3名でブレーストーミングを行い、抽出された項目を分析したところ、6カテゴリー、70項目に分類された。 入居者家族から返送された調査票の集計、分析を行ったところ、施設職員の考える看取り介護受容のための要因と家族が考える要因では、有意差が認められ、優先される項目が異なることが明らかになった。 今後も増加することが推測される特別養護老人ホームでの看取り介護について、本結果が示している施設職員の考える望ましい看取り介護と家族が希望する望ましい看取り介護は異なっていることを施設職員が周知することで、家族によりそった看取り介護を推進していけると考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
調査対象者は、施設職員と入居者家族である。施設職員への調査はスムーズに行えるが、入居者家族への調査は、研究協力者が当該施設の職員である関係上、施設によっては日々の業務に忙殺されていることから、スムーズに調査票を配布できない状況にある。また入居者家族についても、対象となっている家族が頻回にホームを訪問する可能性が低いため、容易に調査票が配布できていない現状にある。それらの理由により、予想外に回収のための時間がかかっているのが現状である。
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今後の研究の推進方策 |
本研究開始時の到達目標は、施設職員が誰でも使用できる看取り介護受容のレベルを判定するための尺度を作成することであった。しかし、本研究の幹となる対象者が特別養護老人ホームに入居者がいる家族であること、看取り介護加算を申請していても実際は状況的判断で看取り介護に移行しているだけで、実際には積極的に推進している施設が少ないこと、入居者自身も高齢であるが、その家族についても60歳代以上であることが多く、質問紙への記載に不備も多く、有効となる回答を得るのが難しいことから、尺度を作るための妥当性を検討するためにあらたな対象者を探すことが難しい状況にある。それらの理由により、本研究のゴールを尺度の作成ではなく、各要因の相互作用を検討していく方向生に若干修正していく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究の成果発表に使用 第21回日本家族看護学会学術集会発表予定、第12回国際家族看護学会発表予定、論文投稿予定
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