研究課題/領域番号 |
24660017
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
齊藤 麻子 順天堂大学, 公私立大学の部局等, 講師 (20326127)
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キーワード | 医療的ケア / 特別支援学校 |
研究概要 |
慢性的な健康問題をもち定期的な医療的ケアを必要とし、次年度に小学校(特別支援学校小学部)に入学を予定している子どもの保護者2名と一人当たり1時間程度面談し、情報を得た。また、同時に「WHO SUBI(主観的幸福感尺度)」を用いた質問紙調査も行った。この調査にあたって、調査者の所属する大学の研究倫理委員会に研究計画を示し、倫理審査の承認を得た。調査協力者のリクルートにあたっては、身体・知的障害をもつ幼児のための通所施設に協力を依頼した。 保護者Aは、子どもが生まれてからの振り返りの中で、身体的な症状が起こっていてもなかなか診断がつかなかった時期があり、病名が分かって「ほっとした」こと、夫とも育児を共に楽しめていること、通所施設での子どもの成長の大きさなどについて語り、身体的な症状の再発による発達への影響も心配しつつも、現在の生活には満足している様子がうかがえた。入学という新たな環境の変化に対しては、子どもの身体的・精神的影響は心配しておらず、保護者自身の新たな人間関係の構築に関して不安を感じていた。また、小学校入学よりはるかに先の高等学校卒業後のことへの心配を持っていた。 保護者Bは、祖母という立場から育児を振り返り、家族構成の変化と、子どもにとっての実母に気兼ねしながらの育児から自分が主体の育児に移行した状況、現在の生活は体力的には大変ながらも、同胞を含めた子供たちの成長を見守る育児の楽しさを語った。入学という新たな環境の変化に対しては、さらなる成長への楽しみがあると述べ、知りたい情報は、周囲のお母さん仲間とのおしゃべりで得られ、特に不足している情報はないとのことであった。 調査協力者とは、継続した調査への承諾を得ており、今後、入学後の状況についての情報を、面談を通して得ていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究倫理委員会への申請、倫理審査の承認が遅延し、本調査を始める時期が遅くなった。また、調査協力者の確保が困難で、予定数より少ない状況であるため、さらなる依頼を行い、調査協力者を得ていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2014年度は、現在承諾が得られている協力者との面談を研究計画に沿って進め、データの文政を並行して行っていく。さらに、新たな協力者の確保に尽力し、分析に十分な人数が得たうえで研究を進めていく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
調査開始時期の遅延と、調査協力者の確保不足によりデータ収集が少なかく、それに伴いデータ収集や分析に使用する経費の支出が少なかったため。 データ分析ソフト20万円、データ入力費10万円、調査交通費15万円、調査謝礼5万円を計画している。
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