研究課題/領域番号 |
24660019
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
河上 智香 東邦大学, 看護学部, 准教授 (30324784)
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研究分担者 |
出野 慶子 東邦大学, 看護学部, 教授 (70248863)
小川 純子 淑徳大学, 看護栄養学部, 准教授 (30344972)
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キーワード | レジリエンス / 生体移植 / 親 / 子ども |
研究概要 |
2010年,改正臓器移植法が施行され,15歳未満の子どもからの臓器提供が可能となった.しかし海外とは異なり,日本では小児への臓器移植の9割以上が肉親をドナーとした生体移植であるという特徴をもつ.生体移植は待機時間が長いため,術前に十分な準備ができ,長期生存が期待できる利点をもつが,家族内にドナーとレシピエントという手術患者を同時に抱えるという特殊性をもち,家族関係に変調をきたすリスクを高める.しかしドナーとなった親の体験を構造化し,親に対する支援に関する報告はほとんどなされておらず,移植医療における解決すべき看護上の問題となっている.そこで本研究では,生体移植ドナーとなった親の危機状況からの肯定的な適応過程を解明し,さらに適応過程に関与する要因を分析し,効果的な看護介入を考察することを目的とした研究である. 平成24年度にインタビューガイドを作成し,研究協力施設の倫理審査委員会の承認を得た後,研究協力施設に所属する研究協力者によって選定されたドナーとなった親を対象にインタビューを実施し,レジリエンスに関する要素の抽出を行った. 平成25年度は,学会などから新たな知見を得ながら,研究代表者,研究分担者および研究協力者によって,平成24年度の分析結果から得られたレジリエンス要素の妥当性に関する検討を行い,危機状況からの適応に影響するレジリエンス要素とレジリエンスを促進させる看護支援のあり方を検討した.さらに,面接調査を追加し,疾患による差異を検討している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度は,インタビュー対象者のリクルートと調整に時間がかかり,当初の予定通りに研究を遂行できなかったが,以降は修正した計画書のほぼ予定通りに進行している.
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今後の研究の推進方策 |
生体移植ドナーとなった親のレジリエンス要素,危機状況からの適応に影響するレジリエンスの要因を明らかにし,効果的な看護支援を探究する.
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度の研究遂行にあたって,インタビュー対象者のリクルートと調整に時間がかかったため遅れが生じ,研究計画を3年間へと変更したため 研究打ち合わせおよび研究成果の発表などに充てる予定である.
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