研究課題/領域番号 |
24660026
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研究機関 | 京都橘大学 |
研究代表者 |
堀 妙子 京都橘大学, 看護学部, 教授 (40303557)
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研究分担者 |
奈良間 美保 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (40207923)
中村 泰子 京都橘大学, 看護学部, 助教 (00402628) [辞退]
森本 麻里 京都橘大学, 看護学部, 助手 (90650705)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 思春期 / 排泄障害 |
研究実績の概要 |
日本二分脊椎症協会の静岡支部の活動に継続的に参加し、参加している排泄障害をもつ思春期の子どもやその家族との関係性を構築するために、日常生活の様子などに関して継続的に話を聞きながら、子どもの成長発達にあわせた子ども自身のセルフケアの自立の様子や、家族の関わり方等に関する情報収集をしている。二分脊椎症の子どもの場合は、排尿・排便障害の他にも様々な障害をもっており、その程度が子どもによって様々であるため、抱えている問題も異なっている。排泄障害だけでなく、歩行障害や知的障害が伴う事により、子どもの様子が様々であり、成長に伴い子どもの自立の様子も異なってきている。 実際の学校生活での様子をみても、普通学校に通学し、普通学級で健康な子どもたちの中で生活している二分脊椎症の子どももいれば、支援学級に属している子どもがいたり、特別支援学校に通学している子どももいるなど、その環境も様々である。そのような状況ではあるが、子どもなりに成長をしていき、思春期を迎えている。学校生活の様子を聞いてみると、普通学校に通学している子どもの中には、なんとか部活動等の課外活動も行い、新たな友達ができたといった子どももいれば、友達との関係がうまくいかないといった問題を抱えている子どもも見られた。しかし、学校生活の中で周囲の友人や大人と関わる中で、家族から守られる生活から、悩んだりしながらも自分の力で周囲の人たちと関わる様子が見られていた。 家族は、子どもの身体的な成長に戸惑いつつ、また周囲の人とうまくやっていけるのかということも心配しつつも、こどもが少しずつ社会との接点をもつ事ができるように関わっているようであった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
二分脊椎症の患者会は、患者の家族が中心となって行われているが、患者会の代表者となる家族がなかなか決まらない事や、患者会に入っても、様々な事情で継続して参加していく事ができるという家族が少ないといった現状があるため、患者会の運営が難しくなっている現状がある。その一方で新たに患者会に入会される方もおり、患者会の存続に対するニーズも高くあるため、2014年度は、患者会の継続的な運営を支えるために、総会や交流会などに参加し、運営に協力してきた。そのため、調査を依頼する事は、患者会にとって負担となると考えたため、2014年度の調査は行わず、患者会に参加しながら、子どもや家族と関わり、現状に関する情報収集を続けた。そのため、予定より、研究が遅れる結果となった。
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今後の研究の推進方策 |
二分脊椎症の患者会に関しては、2015年度より新たな代表者が決まり、またあわせてその後の継続的な運営に関しても、家族間で話し合いがされたため、2014年度に見合せた排泄障害のある子どもやその家族に対する調査を実施できる見通しができた。また、これまでの間の研究の達成状況が遅れているので、研究分担者の協力を得る事に加えて、研究協力者にも協力を得ながら、遅れている調査を実施し、研究報告を行うことができるよう、実施していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
2014年度に予定していた調査が、二分脊椎症患者会の代表者の交代があり、患者会での調査を依頼する事が困難であると判断した。そのため2014年度予定の調査を2015年度に延期することとしたため、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は、二分脊椎症の患者会の運営も順調に進む予定であるので、延期した思春期の排泄障害をもつ子どもとその家族を対象とした調査を実施する。また研究分担者だけでなく、研究協力者の協力を得ながら、研究を推進していく。
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