研究課題/領域番号 |
24660027
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研究機関 | 関西看護医療大学 |
研究代表者 |
門脇 千恵 関西看護医療大学, 看護学部, 教授 (50204524)
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研究分担者 |
佐々木 和義 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (70285352)
曽我部 美恵子 関西看護医療大学, 看護学部, 教授 (10299828)
齋藤 啓子 関西看護医療大学, 看護学部, 講師 (50552105)
森田 智子 (小笠原 智子) 関西看護医療大学, 看護学部, 准教授 (50331202)
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キーワード | 親子関係 / ビデオ観察 / 相互作用 / 自閉症スペクトラム障害(ASD) |
研究概要 |
ASD幼児の対人行動の対照群(健常発達群)のデータを得るために、当初は保育園において事前に研究の趣旨を説明し、快諾を得ていたが、職員の同意を得ることが困難であったため、研究をすすめることができなくなった。そのため知人の紹介を得て健常発達の5歳児 2名の親子の相互作用場面の撮影を行ったが、1名は撮影スタッフとの相互作用が混入してしまい、1事例のみの報告となった。 【目的】5歳女児の健常発達を示す幼児を対象として,1対1の遊び場面とおやつ場面を設定して,親子の相互作用の様相を把握し,自閉症スペクトラム障害児の親子場面で社会的相互作用の問題点を把握するための指標を検討する。 【方法】遊び場面とおやつ場面を家庭用ビデオカメラで撮影し,3分間観察をし,行動の出現頻度を数えた。 【結果】遊び場面では,アイコンタクが6回,ターンティキングが6回,共同注視が7回,話しかけが11回,見せる行動が7回,微笑みかけが6回,および身体接触が0回出現した。おやつ場面では,アイコンタクトが7回,ターンティキングが7回,共同注視が5回,話しかけが7回,見せる行動が4回,微笑みかけが4回,および身体接触が0回出現した。 【考察】選定した行動は,身体接触以外は,幼児の対人相互作用を把握する妥当な指標と考えられる。また日常場面における簡便な観察方法を確認することができた。2台の研究用ビデオカメラを用いて対面して相互作用をする2者を同期させてデータを得るという高価な方法を取らなくても、長椅子に隣り合って座らせることによって,家庭用のビデオカメラでデータを得られるということが示唆され,親子関係,保育士子ども関係,きょうだい関係,および仲間関係を,把握する道を開いた可能性がある。 以上については、関西看護医療大学研究紀要(6巻第1号、55p-59)において「5歳女児と家族のインタラクション」として報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
長期の病気療養および得られた対象者の分析が遅れたため最初の目的は殆ど達成できていない。
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今後の研究の推進方策 |
地方(淡路島)での研究データを得るためには、非常に難しい事を痛感した。地域との密接な関係作りから連携体制作りを図ることで,健康発達児における親子や保育師・園児などの相互作用や,ASDが疑われる子どもにおける相互作用のデータを取得し,解析に努めていく。それによって幼児期での評価方法を明らかにすることができ,ASD児童へのプログラムを幼児期にも適用することができ,ASD幼児がより混乱が少なく保育園や幼稚園で過ごすことへとつながっていくと考えられる。そのため、現在発達障害をもつ親の会へのアプローチなどを行っており、さらに、都会(関東地区)および淡路島における親の会を通じて、データー収集行い分析の予定をしている。
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次年度の研究費の使用計画 |
病気療養のため延長願いを提出し、受理された。 関西地区および関東地区でのデータ収集のための費用(人件費、謝金含む)。
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