• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実施状況報告書

外傷サーベイランスが現場にもたらす課題とシミュレータを用いたスタッフ育成

研究課題

研究課題/領域番号 24660040
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関札幌市立大学

研究代表者

山田 典子  札幌市立大学, 看護学部, 准教授 (10320863)

研究分担者 中村 恵子  札幌市立大学, 看護学部, 教授 (70255412)
吉池 信男  青森県立保健大学, 健康科学部, 教授 (80240232)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード外傷サーベイランス / シミュレーション教育 / セーフコミュニティ / セーフティプロモーション
研究概要

救急外来スタッフの外傷サーベイランス能力の向上をめざし、トレーニング方法の検討を行った。シミュレーションの時間は10~15分程度のシナリオを用い、振り返りにはその3倍の時間をかけてじっくり学びを深めていく。「どのような思考過程にのっとり行ったか?」、「ほかの可能性があるとしたら?」、「このような状態を何というか?」等、実施者が備えている知識の引き出しから、様々な設定状況に準じたより適切な行動を導き出すための思考過程や判断を深めていく。できないところに気が付き、良くない点を指摘する人が多いため、指導者はポジティブな表現を心がけ、対象をほめてやる気を引き出すように心掛ける、といった配慮のもとで研修を実施する。
大人の学習や成人教育といわれるものは、ややもすると抽象的で分かりにくいことが多い。本研究の目的を達成するために、ティーチング、ファシィリテーティング、ディブリーフィング、コーチングといった学習方法を使い分け、アセスメントやエバリエーションの評価をきちんと行いコンピテンシーを高めるようプログラムを作成した。従って、学習者が自分で気が付けたか、それとも指摘されて気がつけたか、学習者の満足度はどうだったか、常に自分で目的を定め、自分で考えさせていく必要がある。そのためには、ほめて、本人に考えさせ、沈黙の時間を邪魔しないでヒントを与えることや、すぐに答えを述べるのではなくグループで学習してる場合はほかのメンバーに意見を求めグループダイナミクスが働くようにする。最後に、学習の場で起きたことは、その中でおさめ他言はしないことを約束する。それは、安全な場で学ぶ環境を確保することにつながる。
研修の開催準備にあたり、配慮すべき点やシナリオのアイディアをハワイ大学の視察で得ることができた。25年度の研修開催とその評価に関して、倫理委員会に書類申請し調査可能な状況である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の24年度から25年度の目的が、外傷サーベイランスができる救急スタッフの育成にシミュレータを用い、トレーニングを実際に行う、というものである。
次年度の外傷サーベイランスの実施に向けて、教育内容の確立、研修実施機関の確保、その内容の評価ができる体制を24年度に整えることができた。
また、関係部署が多岐にわたる外傷サーベイランスの実施に向けて、さまざまな現状の課題が見えてきた。それらを具体的に洗い出し、課題提示をしていきながら本研究を推進していく所存である。

今後の研究の推進方策

1.外傷サーベイランスができる看護スタッフの育成を大学院と看護研修センターで実施させていただく(倫理審査済み)2013年4月から11月までの間にデータ収集し、その結果を今年度中に分析し、シミュレーション教育の評価をし、改善を図る。次年度も引き続き研修を開催していけるよう、調査協力施設の拡大を図っていく。
2.外傷サーベイランスの実施については、医師会や様々な設置団体の病院の協力がなければ実現が難しいため、モデル的に取り組んでいただける病院を打診し、外傷サーベイランスの環境を整えるための課題整理を行う。
並行して、既存の外傷に関するデータの活用についても検討していく。
3.外傷サーベイランスの必要性は認識されても、実施やその継続が困難な現状があるため、研究期間内に様々な関係機関に働きかけ、実施に向けての足掛かりをつかむべく努力する。

次年度の研究費の使用計画

当初予定していたシミュレーション物品が安く購入できた。268550円分は、外傷サーベイランス先行都市の視察に向ける予定。
次年度の研修開催に向けて、シミュレーションキッドを購入したので、それを用いて研修を開催する。(甲南女子大学大学院、看護協会研修センター等で講義することになった。これらの研修成果を評価し、翌年もデータ収集を重ねていく。)
研修においては、様々なシミュレーション教材の活用を試みている。いくつか試したうち、受講生のリラクゼーションも含めたボディワークに、専門の講師を依頼したいと考えている。そこで、教育の調査実施のための交通費と謝礼、印刷費など諸経費に組み込んだ。
また、外傷サーベイランスの先行地域の視察を行い、それぞれの地域の取り組み方や課題について分析する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] THE TRANSMISSION OF INFORMATION IN THE IMMEDIATE AFTERMATH OF THE GREAT EAST JAPAN EARTHQUAKE BY THE ADMINISTRATION IN THEIR EFFORTS TO ESTABLISH SAFE COMMUNITIES..2012

    • 著者名/発表者名
      Noriko Yamada, Masashi Yamada, Nobuo Yoshiike, Yoko Niiyama, Junichi Kokubo,:
    • 雑誌名

      Journal of Injury Prevention

      巻: 1 ページ: 154-154

    • 査読あり
  • [学会発表] 生活行動の難易度の問診に基づく外傷危険者のスクリーニングについて.2012

    • 著者名/発表者名
      山田典子、山田真司
    • 学会等名
      日本ヒューマンケア科学会誌5(2),127頁
    • 発表場所
      青森県立保健大学
    • 年月日
      20121027-20121027

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi