研究課題/領域番号 |
24660049
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 岐阜県立看護大学 |
研究代表者 |
鈴木 里美 岐阜県立看護大学, 看護学部, 助教 (00448698)
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研究分担者 |
松本 訓枝 岐阜県立看護大学, 看護学部, 講師 (90448697)
世一 和子 岐阜県立看護大学, 看護学部, 准教授 (90625964)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ブラジル人児童 |
研究概要 |
本研究は、ブラジル人児童がどのような心身の健康課題をもっているのか、児童と保護者の生活様式を把握し、児童の健康に影響する背景要因を捉えることで実態を明確にすることを目指している。 平成24年度は、ブラジル人児童がどのような心身の健康課題をもっているのか把握するために文献検討を行った。ブラジル人児童の健康課題をテーマにした文献はほとんどなく、在日ブラジル人児童生徒を対象にした健康診断結果において、全体の66%が要医療で齲歯や歯肉炎、視力低下が多く、51%が要指導で肥満・やせであった。健康問題は生活習慣に起因していることから、集団の特徴に応じた効果的な保健指導の提供、親の生活や母国の文化を踏まえた教育内容を検討していく必要性が指摘されていた。日本の児童生徒の健康課題と生活様式をテーマにした文献では、生活様式として、Berkman&Breslowの健康習慣、生活構造に影響を及ぼす運動習慣、睡眠時間、朝食・間食摂取、通塾、通学、自宅学習・テレビ視聴・ファミリーコンピューター使用時間の項目が使用されていた。 文献検討を踏まえ、ブラジル人児童の健康に影響する背景要因を捉えるために児童と保護者の生活様式を把握する面接調査票作成の検討を行った。面接調査票の作成過程において、ブラジル人集住地域であるA小学校の日本語指導教諭、養護教諭等の意見を参考に、質問項目が調査対象者に理解しやすくプライバシーに配慮している内容であるか等も含め検討し作成した。児童の調査項目は、食事・睡眠・排泄・運動等の生活習慣、余暇の過ごし方、身体・精神症状等であり、保護者の調査項目は、子どもの健康について大切にしていること、子どもの健康状態、就労状態等である。また、調査方法として学校に保管の健康診断結果等の閲覧、児童と保護者への同意を得る方法、面接調査の実施場所等について検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成24年度は、ブラジル人児童の心身の健康課題を明確にし、健康課題に影響する背景要因を捉えるために児童と保護者への面接調査を実施する計画であった。しかし、ブラジル人児童がどのような心身の健康課題をもっているのか把握するための文献検討の実施、児童と保護者の生活様式を把握するための面接調査票の作成および具体的な調査方法を検討する段階までの到達であった。したがって児童と保護者への面接調査が実施できていないため、達成度は「やや遅れている」と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は、ブラジル人児童の心身の健康課題を明確にし、健康課題に影響する背景要因を捉えるために児童と保護者への面接調査を実施する。面接調査の結果分析から、児童の心身の健康課題を明確にし、その健康課題に影響する背景要因を把握する。 面接調査から見出された知見を一般化するために、分析結果から得られた心身の健康課題とその健康課題に影響する背景要因を基に質問紙調査票を作成する。質問紙調査票は、ポルトガル語に翻訳する。調査対象者は、B市で小学校に通学するブラジル人児童全員である。B市で調査協力の得られた小学校においてプレテストを実施後、質問紙調査を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度は、児童と保護者への面接調査を実施し、面接調査から見出された知見を一般化するために質問紙調査を行う。研究費は、面接調査実施にともなう通訳料、謝金、旅費等および質問紙調査にともなう翻訳料、謝金等を使用する。また、調査結果を学会報告するため旅費や宿泊費を使用する計画である。
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