研究課題/領域番号 |
24660051
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
占部 美恵 (片丸 美恵) 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (00451401)
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研究分担者 |
成本 迅 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30347463)
松岡 照之 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40636544)
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キーワード | 認知症 / 情動 / BPSD / VBM / 非薬物的介入 |
研究概要 |
1.研究目的:認知症高齢者の常道の関連要因を脳画像、認知機能検査、インタビューより明らかにし、その結果から得られた脳の残存機能をエビデンスとした、認知症高齢者の情動を活かしてポジティブな情動を引き出す看護介入方法と情動評価スケールの開発を目的にしている。そのために、認知症高齢者が表出している情動と扁桃体の投射領域の体積、Behavioral and psychological symptoms of dementia(認知症の行動症状・心理症状:以下BPSD)との関連を明らかにすることを第1段階の目的にして、平成25年も引き続き実施した。 2.意義:本研究は、高齢者や介護者の在宅生活を脅かすBPSDに対する心理症状および情動への介入のエビデンスを明らかにした非薬物的介入を目指すものである。 3.研究方法:アルツハイマー病と診断され、認知症治療薬を内服していない認知症高齢者を対象にしている。対照群は、認知機能が低下していない健康な65歳以上の高齢者(男性6名、女性15名)である。MMSE(Mini-Mental State Examination)にて認知機能を測定し、Behave-AD(アルツハイマー型認知症行動スケール)にて、BOSDを家族より調査した。また、クリクトン高齢者行動評価尺度にて気分を測定した。脳画像は、MRI(Achieva3.0T:PHILP)によるT1画像を撮影し、Voxel-based morphometryにて、脳の萎縮部位を対照群と比較した。 4.結果:研究の進捗に大幅な遅れがあるため、BPSDのスケールに介護者が記載する日本語版Neuropsychiatric Inventoryを加え、現在28名のデータがそろっている。あと2名を追加して30名になったところで、解析をする予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究は、認知症薬や疾患による影響を排除するために、対象とする認知症をアルツハイマー病に限定し、認知症薬を内服していない方を対象にしている。認知症専門病院を受診する高齢者を対象にしているが、専門病院を紹介してきたかかりつけ医の段階で認知症治療薬が処方されているケースが増え続けているため、当初の予定より大幅に遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
BPSD評価スケールに日本語版Neuropsychiatric Inventoryを加え、家族や本人の負担を軽減するためにインタビューを中止した。この研究方法の変更により、対象者が28名となった。あと2名のデータを集めることにより、当初の目標の30名となるため、解析を実施する。 それらの結果を踏まえて、情動を活かした看護介入研究に進めて行く予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
昨年度に引き続き、対象者の選定に時間を要したために研究計画が遅れているため、次年度の使用額が生じてしまった。 次年度は、第1段階の研究成果の発表を予定しているために発表資金、学会参加費、旅費などに使用する。また、第2段階の情動を活かした看護介入の介入研究を予定しているため、スマイルスキャンの弱点を補うためにビデオの購入が必要となってくる。また、介入施設への謝金および旅費、データ入力・整理のための謝金をして使用する予定である。
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