本研究の目的は、生活保護受給者の健康およびその支援について明らかにすることである。2010年、岡山県内の居宅の壮年期生活保護受給者765人を対象に健康調査を実施した結果、彼らの健康関連QOLは低く、男性では適切な市町村健康情報の提供、女性では栄養の支援が必要と示唆された。 また、同じく岡山県内の市町村保健師326人を対象に、生活保護受給者の健康支援について調査した結果、市町村勤務先の規模、民生委員との連携の有無等が保健師の壮年期生活保護受給者への健康課題の認識に関連がみられた。しかし、保健師の年齢、経験年数は関連がなく、弱者に視点をおいた教育の必要性が示唆された。
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