研究課題/領域番号 |
24660057
|
研究種目 |
挑戦的萌芽研究
|
研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
美ノ谷 新子 順天堂大学, 公私立大学の部局等, 教授 (20299986)
|
研究分担者 |
米澤 純子 国立保健医療科学院, その他部局等, その他 (50289972)
小川 典子 順天堂大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (30621726)
横島 啓子 順天堂大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (50369469)
福嶋 龍子 純真学園大学, 保健医療学部, 教授 (00299984)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 独居高齢者 / 死別 / 健康 / 生活 |
研究概要 |
研究目的は、同居近親者死別による独居高齢者の生活と健康の変化を明らかにする事である。そのため平成24年度は、本研究の対象である遺族と接触をもつ宗教機関を対象に、一次(予備)調査を行った。 対象の宗教機関は、日蓮宗のビハーラ活動を普及・推進する日蓮宗ビハーラネットワークの会員で約120カ寺にアンケート調査を実施した。 調査内容は、①同居近親者の死別で独居となった高齢者との接点の時期と内容②過去一年間の高齢者遺族に関する生活と健康状態③二次調査(本調査)の協力の可能性についてであった。 その結果、回答41件、回答率25.8%であり、接触の時期は1カ月以内、3カ月以内がいずれも半数を占めた。接触時の話しの内容は、納骨や墓地の相談のほか生活の変化や健康についての話題が挙がっていた。宗教機関の関係者は、高齢者遺族の生活と健康状態について、遺族の信仰への深さの変化のほか、介護から解放されて体調がよくなった者や引きこもりの者がいることに気づいていた。また、宗教活動を通じて人と接する場を多く持ってもらう配慮をしていた。 過去1年以内に死別後独居となった高齢者数は135件であった。回答のあった41件のうち二次調査(本調査)への協力の意思表示のあったのは17件であった。 以上の一次調査の報告は、平成25年6月開催予定の日本老年看護学会(in大阪〉で発表予定である。また、同居近親者死別による独居高齢者を対象とした本調査の倫理審査資料を作成中で、平成25年度開始と同時に研究計画書等を倫理委員会に提出予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究初年度は、同居近親者死別による独居高齢者と接触のある宗教機関への一次(予備)調査を予定しており、予定通りに実施することができた。調査対象者数は当初より100件程度と考えていたので、ほぼ対象者数としても達成できたと思う。この一次調査は、本調査となる同居近親者死別による独居高齢者本人を研究者に紹介してもらえるか否かの予備調査でもあった。 一次調査自体の回収数は41件であったが、二次調査への協力の意思を示した宗教機関は17件と少なめであった。本調査の対象である独居高齢者本人は50名を予定しているが、それを17件の宗教機関で充足できるかどうかは未定であり一抹の不安を残すことになった。 いずれにしろ一年目の目標はほぼ達成できたと考えている。
|
今後の研究の推進方策 |
2年目となる平成25年度は、二次(本)調査を実施する。 同居近親者死別による独居高齢者となった本人に、死別後概ね6カ月後と1年後に健康と生活についての調査を行う。 対象者への声掛けは一次調査で調査協力に意思表示した宗教機関が行うが、調査への協力の可否は該当者自身が決定し研究者に返信することで個人情報の保護に配慮する。調査対象者は約50名で、調査対象者の指定するプライバシーの守られる場所で調査は行う。 調査方法は、一部自記式のアンケート調査を含むが、インタビューによって死別後の健康の変化、生活の変化、困りごとと困りごとを相談する人について聞く。インタビュアーは研究者で分担する。インタビューは本人の了解を得て音声収録する。調査対象者には2千円程度の謝礼をする。 調査で得たデータは平成26年度に集計、分析を行う予定である。
|
次年度の研究費の使用計画 |
同居近親者死別による独居高齢者となった対象者へのインタビュー調査を実施する。調査対象者を紹介する宗教機関に説明と依頼をするため、また、調査対象者の指定する場で調査を行うため、研究分担者・代表者とも旅費、交通費に多くの経費を使用することになる。 昨年度買い控えたノートパソコンを購入する。 調査対象者への謝礼、調査対象者への通信費、調査対象者を紹介する宗教機関への通信費を要する。 インタビュー調査の逐語録作成のために、テープお越しをアウトソーシングする。 データの収録、分析にUSB、文具類、ファイル、プリンターインク、ICレコーダーの電池などの消耗品を購入する予定である。 全体会議は調査実施前、調査実施中、調査後の少なくとも3回/年間は開催する予定で会議費を要する。
|