研究課題/領域番号 |
24660058
|
研究機関 | 聖路加国際大学 |
研究代表者 |
亀井 智子 聖路加国際大学, 看護学部, 教授 (80238443)
|
研究分担者 |
新野 直明 桜美林大学, 自然科学系, 教授 (40201686)
梶井 文子 聖路加国際大学, 看護学部, 准教授 (40349171)
杉本 知子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 准教授 (00314922)
入江 由香子 高崎商科大学短期大学部, 商学部, 講師 (00571382)
|
キーワード | 転倒予防 / 高齢者 / 多因子介入プログラム / ランダム化比較試験 / 介入研究 |
研究概要 |
今年度の研究目的は、地域在住高齢者を対象とした包括的転倒予防教育プログラム「SAFETY on!プログラム」について、前年度に開発した小冊子・壁掛け・マグネット・ステッカー・足指体操タオルによる転倒予防の啓発用教材を用い、介入プログラムを提供し、転倒予防効果を検証するためのランダム化比較試験のデータ収集と蓄積を行うことである。 開発した教育プログラムは、S:Slippers(転倒しやすい履物)、A:Activities(運動機能と自己効力感を高める運動)、F:Food(食事と栄養)、E:Environment(自宅の安全対策)、T: Tablets(薬剤の注意)、Y:eYe sight(視力・視野の確保)の項目で構成し、併せて、各々の項目に先の啓発用教材の図柄が対応している。この教材は高齢者が自宅に掲示したり、使用したりできるように工夫したものである。 本プログラムの効果を検証するために、地域在住高齢者を対象とした、転倒骨折予防実践講座を開催し、今年度は第II期ランダム化比較試験を行った。介入群には「SAFETY on!プログラム」を6回コースで提供し、対照群には教材を使用せずに同様の内容の講座を提供した。 参加登録者は計51名で、介入群26名、対照群25名となった。第5回までの全講座参加者数は介入群23名、対照群22名であった。12週間の追跡期間中の転倒者数は介入群2名(8.7%)、対照群1名(4.5%)(RR=1.913, 95%CI: 0.260~14.415, ARR=-0.042, 95%CI=-0.114~0.079, NNT=24)であったが、本事業は3年間継続する計画であるため、これは単年度の参考値である。 小講義への満足者割合は、「良かった」が両群とも97~100%を占め、運動プログラムの強度は「軽い」24~28%、「適当」64~67%、「強い」4.7~11.5%であった。講座全体の満足度(0~10のVAS)は両群ともに9.2と高かった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度はランダム化比較試験によるデータ収集を継続して行った。当初に予定した50名以上の高齢者の登録があり、介入プログラムの実施も計画通りに行うことができ、データ収集も計画通り実施することができた。そのため、おおむね順調に進展していると判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、第III期のランダム化比較試験のデータ収集期間となり、研究の最終年度であるため、データ収集終了後、3年分のプライマリエンドポイント等のデータ解析を行う。研究遂行上の問題としては、9月の敬老の日前後は、区のイベントに参加する対象者が多く、脱落率が高くなることが予想される。それに対応するため、研究参加者募集を早期に開始して、大学近隣に在住する高齢者に本研究参加を呼び掛けて、参加者数を多く確保する対策をとる。
|
次年度の研究費の使用計画 |
物品購入を最小限にし、謝金支払いも必要がなかったため、残金が生じた。 次年度データ収集のために開催する転倒骨折予防実践講座において必要となる消耗品を購入する計画である。
|