研究課題/領域番号 |
24660062
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研究機関 | 日本赤十字看護大学 |
研究代表者 |
グライナー 智恵子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 准教授 (20305270)
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キーワード | 認知症高齢者 / 診療所 / 在宅 / 老年看護学 / 認知症看護認定看護師 |
研究概要 |
平成25年度は、診療所における認知症患者用プロトコル最終版を完成させた。診療所を受診した認知症疑いの患者を継続的にフォローできるプロトコルとするために、どのような項目が必要で、どのような時期に行っていくかなど、研究者、診療所看護師、医師、事務局がともに話し合いながらプロトコルを作成した。これをパイロットスタディとして実際に記載してもらい、不足している内容や記入のし易さ等の再検討を行った。プロトコルは、事務、医師、看護師それぞれが記載するものである。事務では受付時に受信日、同伴者の有無とその続柄、待合室での患者の状況などを記載する。また、会計時にも薬局への処方箋提出が可能か、表情に不機嫌さなどがないかなどをチェックしていく。医師は診断名の記載や問診内容などについてチェックを行う。看護師の記録については、アネムネの聴取や10分間スクリーニング、内服状況、ケアマネージャーとの連携などについてチェックするとともに、次回の介入プランや気になったエピソード、カンファレンスの調整などについても記載し、プロトコルの記載が次の支援につながるよう工夫した。次に、本プロトコルの効果検証のために、評価項目と研究手順についての検討を行った。研究者が所属する研究倫理審査委員会の承認を得た後、診療所看護師へ協力依頼を行った。平成26年度は、承諾の得られた患者に対して本プロトコルを実施し、長期的にプロトコルの効果を検証していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
診療所における在宅認知症高齢者支援のためのプロトコルを完成させ、その効果検証の道筋もつけたことから、研究は順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の共同研究者である認知症看護認定看護師が、今年度本学の認知症看護認定看護師コース講師に着任したため、十分な協力を得ることが難しかった。来年度は現場(病院)に復帰するため、認知症看護認定看護師の力を活用して本研究を推進していく。特に研究代表者の所属が変更となり研究フィールドが遠方となったため、今まで以上に共同研究者との連携を高めていく必要がある。
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次年度の研究費の使用計画 |
これまでの研究成果について学会発表を予定していたが、学会発表時期が平成26年5月となったためその分を次年度会計とした。また、研究代表者の所属変更により研究のための旅費が従来より多くなると予測できたことから、その点を考慮して次年度会計へ組み込んだ。 次年度は、学会発表と論文執筆により研究成果の還元を実施していく(予算の約1/3を充当)。また、共同研究者、研究協力者と定期的な会議を持ちプロトコルの効果検証を確実に実施していく(予算の約1/4を充当)。更に、認知症看護認定看護師の協力を得ながら地域住民を巻き込んだ交流会を企画・実施していく(予算の1/6を充当)。残る予算1/4で研究にかかる消耗品や物品の購入、会議費などを支出する予定である。
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