平成26年度は、作成したプロトコルを実際の外来認知症患者に適応し、実用化に向けた検討を行った。更に、認知症カフェ立ち上げに向けた勉強会及びセミナー等を定期的に行い、診療所のある区では初の認知症カフェ開設を達成した。 診療所に通院している認知症患者の中で、継続的に見守りや支援が必要で本研究に同意の得られた方3名に対しプロトコルを実施した。また、プロトコル実施の課題や評価について検討するため、診療所看護師へ実施3か月後、6か月後にフォーカスグループインタビューを、実施前、3か月後、6か月後に職務満足度を調査した。プロトコルの導入により医師や事務との連携強化とカンファレンスでの情報共有や方針の確認を行うことができた。インタビューでは、プロトコルを実施することで認知症患者への意識は高まってきているが、十分活用していくためには内容の見直し等を行っていく必要のあることが示された。今後はプロトコルを改編し、電子カルテに組み込むことを検討している。 認知症カフェ開設に向けて、診療所近隣に位置する地域包括支援センター、社会福祉協議会スタッフ、認知症看護認定看護師と協力し、認知症カフェのボランティア育成も兼ねてサポートセミナーを3回開催した。その後具体的必要物品や開催場所等について企画運営会議を重ね、2月に予備カフェ、3月に本格的カフェをスタートした。約8名の地域住民がカフェ運営ボランティアとして今後も本活動に参加予定である。今後はカフェを継続し、その効果を検証していくことが必要であろう。
|