研究課題/領域番号 |
24660063
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研究機関 | 椙山女学園大学 |
研究代表者 |
大嶋 光子 椙山女学園大学, 看護学部, 講師 (60587012)
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研究分担者 |
荒井 淑子 椙山女学園大学, 看護学部, 准教授 (80345983)
熊沢 千恵 椙山女学園大学, 看護学部, 准教授 (00216730)
肥田 佳美 椙山女学園大学, 看護学部, 准教授 (10587017)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 認知症 / BPSD / 向精神薬 / 副作用 |
研究実績の概要 |
認知症の進行、重度化によって、行動・心理症状(以下BPSD)が問題となり、認知症対応型共同生活介護(以下グループホーム)において向精神薬の薬物療法を使用している現状がある。この向精神薬を認知症高齢者に使用する際の支援方法を検討することを目的とした。計画として初年度、グループホームでのBPSD困難事例を収集し、分析を行った。事例のなかで向精神薬を使用した前後の状況を聞き取り調査した。2年目はN市内のグループホーム職員(約300人)を対象として認知症ケアの理解のための研修を行った。研修修了者にアンケート調査を行い、その結果から向精神薬に対する知識不足や薬を使用することに対して慢心があることがわかった。最終年に向精神薬を使用する際のケアのあり方について検討し、教育教材として紙芝居を作成し、グループホーム職員、介護・福祉関係者(約250人)を対象に研修を行った。そのうち職種として介護福祉士、ヘルパー2級の受講者に「理解できた」というポイントが高かった。 この教材を用いて研修を行うことで、服薬に注意や関心がもて、事故を未然に防いだり、支援策が立案される。また、観察の視点を理解することで再度、服薬の必要性があるかどうか再評価が行なえるなど、研究の意義は大きいと考える。この研究は向精神薬を知るばかりでなく、認知症の人の代理人として、その人の困難と思っていることに関心を寄せ、積極的にケアで解決していくという原点に戻ることを伝えるという重要な意義があったと考えられる。また、向精神薬を使用する際には十分な知識とリスクをアセスメントする能力が必要となるが、研修を通してケアに関わる人の向精神薬への関心は高く、今後も研究を継続する。
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