研究課題/領域番号 |
24660064
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
城 憲秀 中部大学, 生命健康科学部, 教授 (10137119)
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研究分担者 |
福田 峰子 中部大学, 生命健康科学部, 准教授 (00238487)
藤丸 郁代 中部大学, 生命健康科学部, 講師 (30513361)
加藤 智香子 中部大学, 生命健康科学部, 准教授 (60335057)
大島 圭恵 中部大学, 生命健康科学部, 助手 (60610772)
梅田 奈歩 中部大学, 生命健康科学部, 助教 (50582524)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 高齢者 / 大学生 / 多世代交流 / 介護 / 同居・近住 |
研究概要 |
超高齢社会のなかで要介護高齢者の介護人材確保は急務となっている。その人材の可能性があるものとして大学生が考えられる。本研究では学生が高齢者と同居あるいは近住することにより高齢者との交流を通じた介護的な活動の可能性、有効性についてパイロットスタディとして確認することを目的としている。 本年度の研究活動としては、研究者の属する大学が存在する愛知県春日井市において、これらの高齢者と学生の同居・近住の可能性についてアンケート調査を行い、両者のニーズについて詳細に究明しようと考え、春日井市の65歳以上の高齢者(原則として健康な高齢者と要支援の高齢者)および研究者の所属する学部学生を対象とした調査を実施した。 現在までに学生側のアンケート集計が終了し、結果について考察している途中である。本調査の結果の概要としては、以下のような点が認められた。1)本学部の学生は高齢者との交流を極めて積極的とは言えないが、それなりの交流意欲を有している、2)交流事業の場合、同居・近住を望むものは20%弱であった、3)交流時間としては2-3時間とする者が約8割を占め、月に数回程度の交流を望むものが6割強となった、4)交流事業で家賃補助や食事代などの補助があるとよいとするものが6割程度いた、5)交流内容としては話し相手、力仕事の補助、安否確認などがあげられた。このような結果から、学生による高齢者との交流は可能であるが、なるべく負担が少ない形とすることが重要であると思われた。また、同居・近住についても2割弱が可能とこたえており、こういった学生を協力者として今後の活動を検討したいと考える。 高齢者側のニーズ調査についても調査は終了しているが、現時点では入力作業を実施しているところであり、終了次第、解析に移る予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定としては平成24年度中に高齢者および学生の同居・近住と多世代交流に関するアンケートを実施し、詳細な解析を終了する予定であった。しかし、行政機関および老人会との研究摺合せのなかで、研究の進展が若干遅れ、概要に記した通り、解析が完全に終了していない状況にある。 現在、本来の計画の行程に戻すべく、迅速にかつ集中してアンケート結果の解析を急いでいるところである。その甲斐あって、一部の結果については考察ができるところまでこぎつけたものと考えている。 今後は、さらに急ぎ分析を行い、今後の研究計画を達成したいと思っている。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究については以下のような方向で進めていく予定である。 1)高齢者側アンケートの集計と解析:高齢者の学生との交流意欲、必要事項、ニーズを検討する、2)学生・高齢者の交流について実施可能な活動を検討:アンケート結果に基づき、高齢者・学生双方の希望あるいは実施可能な活動を摺合せ、実行可能性が高く、予期できる活動成果の高い事業を検討する、3)交流活動モデル事業計画の策定:高齢者・学生に参加を呼びかけ、モデル的な事業をスタートする、4)学生の訓練:参加希望学生について高齢者との交流のために必要な情報を提供し、簡単な技術(first aid、マッサージなど)を訓練する、5)モデル事業展開:モデル事業を実施する。当面数か月程度の期間を考慮する、6)事業のチェック・計画修正:事業途中であっても参加者の状況を検討し、計画等の修正を実施する、7)事業の評価:モデル事業を実施し、一定の区切りがついたところで、参加者を対象として事業の達成度について定性的な評価を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
1.平成24年度の研究調査については上記進捗状況の報告にあるように、協力機関との相談、連絡の都合上、若干の遅れが生じました。そのため実施が年度内に困難となり、当初、研究予算として見込んでいた各種の調査紙作成や研究補助者の雇用ができなくなりました。これらについては次年度の経費のなかで利用する見込みでおります。 2.次年度の研究費として大きな支出が伴うと思われるところは、参加者への訓練であろうと予想されます。このために情報提供者、訓練担当者への謝金、参加者への諸費用等が必要になると思われます。また、調査結果等の入力、集計作業にあたっての人件費も大きなウェイトを占めるのではないかと考えています。さらに、研究成果発表等のための交通費も多くなることを推察しております。
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