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2012 年度 実施状況報告書

超限界集落で生活する高齢者の生活実態と保健医療的支援に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 24660067
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関関西医療大学

研究代表者

岩井 惠子  関西医療大学, 看護学部, 教授 (60342234)

研究分担者 紀平 為子  関西医療大学, 保健医療学部, 教授 (30225015)
大橋 純子  関西医療大学, 看護学部, 講師 (90618167)
伊井 みず穂  関西医療大学, 看護学部, 助手 (20583925)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード限界集落 / 高齢者 / 生活実態 / コミュニティー / エスノグラフィー
研究概要

調査内容は、月1回集落を訪問し、住民との交流を図り、住民ひとりひとりに対し、ナラティヴ・アプローチにより、「これまで」と「今」そして「これから」の生活について住民に語ってもらった。また、集落での出来事を住民個々から聞き取り記述した。また、医学的実態調査として、4月と9月に健康診断を実施し、神経学的診察、受診状況、栄養状況、服薬状況、救急対応を要する場合の手段を調査した。健診時には、住民のQOLの評価のため、① SF-8(日本語スタンダード版、② Barthel Index、③PGC morale scaleを用い聞き取り調査を行った。さらに住民との関係を深める目的で、9月、12月には集会所にて秋祭り、クリスマス会のイベントを行った。
本研究の特徴は、① 超限界集落が存続する間、継続的にフィールドワークを行うこと、② 住民の視点と医療者からの視点という、内と外の視点から超限界集落での生活の質とコミュニティの維持について記録・分析すること、③ 住民の生活を医師と看護師がそれぞれの視点から分析し、それらを統合すること、以上3点にある。そのために経時的エスノグラフィーの手法を用い、集落の人々の視点(イーミックな見方)から、身体的・精神的・文化的・社会的な意義や意味のある健康行動(ヘルスプロモーション)、また疾病からの回復を促進したり維持したりすることを目ざす個別的なケアの行動・機能・プロセスについて分析を行う。初年度はその中核をなす住民との関係作りに重きを置き、一定の成果を得た。調査も計画通り進んでいる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度は、当初の計画通り、住民個々との関係を構築し、全戸の訪問を行うことができた。
この1年の間に、転倒骨折による入院、疾病による入院、入院中の住民の死去という出来事があった。その中で住民は協力し、そしてそれぞれの生活を維持していった。住民との良好な関係が形成され相互の関係、集落の歴史、住民の生活実態が少しずつではあるが明らかになってきた。現在の健康状態も2回の健診から把握できた。
しかし、初年度は調査結果の分析には至っておらず、早急に行う。そして住民とはゆっくりとさらに関係性を深めていく。

今後の研究の推進方策

1.24年度のデータから限界集落へ至る経過、集落のコミュニティの現状、住民個々の生活の方法、健康状態について検討する。
2.エスノグラフィーの焦点を見出し、焦点化観察の方法を検討する。具体的にはここで保健行動やコミュニティ形成に関するドメインを分析する。そこからその具体的方法や習慣を探るための構造的質問を見出す。フィールドワークでは、継続して住民ひとりひとりに、焦点化観察を行う。半構造化インタビューを行いながらも、住民の語りを妨げることはしない(記述的観察も継続して行う)。また今年度も1年間の集落での出来事を観察記述する。
3.医学的実態調査では、神経学的診察、受診状況、栄養状況、服薬状況、救急対応を要する場合の手段を継続して調査する。特に脳血管障害、パーキンソン症状など変性疾患や骨関節疾患による運動機能の評価と受療状況を明らかにする。

次年度の研究費の使用計画

現地訪問のための旅費および宿泊費
健康診断のための経費(8月は血液検査を施行):補助要員の交通費も含む
テープ起こしのための経費(業者依頼)
秋祭り、クリスマス会等の経費:補助要員の交通費も含む

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公開日: 2014-07-24  

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