研究課題/領域番号 |
24660069
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 福岡医療短期大学 |
研究代表者 |
齊田 直樹 福岡医療短期大学, その他部局等, 講師 (10413642)
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研究分担者 |
大倉 義文 福岡医療短期大学, その他部局等, 教授 (80352293)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ロコモーティブシンドローム / サルコペニア |
研究概要 |
運動器の障害のために要介護状態となるロコモーティブシンドロームについて今年度においてはバランス能力と、筋力のみの関係性に着目し健常者における測定のプロトコルを作成を行い、高齢者測定の準備のためのシュミレーションを行うことができた。 しかし、その測定プロトコルを作成する上で、第14回日本医学会公開フォーラム(平成24年10月、日本医師会館:東京)へ参加した際、筋力、バランス能力とともに、筋肉量を総体的に測定する事が重要であるという知見を得ることができた。また、筋肉量を簡便に測定する方法として、CT,MRI等直接的画像解析と測定誤差の変化が少なく簡便に除脂肪量を測定する生体インピーダンス法の活用について知見を得ることができ、当初考えていた測定項目ではロコモーティブシンドロームの全体像を掴むことは不十分であった。そこで当初の測定計画の中に生体インピーダンス法を用いた筋肉量の測定(体組成計を使用し、高齢者にも負担なく測定できる事を目的としたもの)を測定プロトコルに取り入れることによって、高齢者においてサルコペニアを起因とするロコモーティブシンドロームの実体を把握する方法の確立を行うことができた。包括的リハビリテーションとしてロコモーショントレーニングに加え、太極拳等の比較的ゆっくりとした運動の動きが効果的との知見を得、日常的に行なっている運動の有無の調査だけでなく、測定対象者の日常生活内ににおいての動作状況、生活環境を調査項目の一つに入れることで、生活に密着した動作と筋力、バランス力、筋肉量との関連を検討する新たな方向性も考察することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究課題の目的である包括的リハビリテーションメニューの開発において、高齢者の身体的状況の的確な把握、状態変化を詳細に掴むことは大切な研究順序である。 そのためリハビリテーションメニューを構築するうえで、その変化を的確に掴む方法の確立は必須であった。当初の計画で身体的な状況を掴むこと上では不十分であったとの知見を得ることが出来たため、当初の予定であった今年度中、高齢者への測定しデータの解析という予定から健常者(若年者)への測定のみの結果となった。しかし筋力、筋肉量、バランス力の3つの柱を基点とした測定プロトコルを確立を見出したことは萌芽研究としての研究成果として自己評価している。この見出したプロトコルは今後、高齢者への測定においてスムーズに研究をすすめるためには非常に重要であると認識している。
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今後の研究の推進方策 |
当該年度の研究成果として得られた測定プロトコル(評価項目:主にバランス能力に関係する大腿四頭筋を徒手筋力系にて測定。重心動揺計によるバランス能力(身体重心測定)を測定。体組成計による体幹、四肢の筋肉量について測定。)をロコモーティブシンドロームの対象となる地域高齢者など(本学近隣の老人会等に協力を依頼予定)要介護ではない高齢者、及び施設高齢者(通所介護サービス利用の高齢者)を測定し比較検討を行う。また日本整形外科学会が提唱する「ロコモーショントレーニング」をプログラムとして取り入れ、継続的に同評価項目について測定、継続的なトレーニングによるデータ比較検討を行うことに尽力したい。
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次年度の研究費の使用計画 |
当該年度の研究成果として得られた測定プロトコル作成におけるデータ収集の為の機器に関しては充分なものとなった。(主にバランス能力に関係する大腿四頭筋を徒手筋力系にて測定する徒手筋力計。重心動揺計によるバランス能力を測定する重心動揺計。体組成計による体幹、四肢の筋肉量について測定する体組成計)次年度の研究費に関してはこれらを活用し実際に地域高齢者、施設サービス利用高齢者に関してデータ計測・収集・解析に関わる運用費として活用したいと考える。
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