研究課題/領域番号 |
24660069
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研究機関 | 福岡医療短期大学 |
研究代表者 |
齊田 直樹 福岡医療短期大学, その他部局等, 講師 (10413642)
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研究分担者 |
大倉 義文 福岡医療短期大学, その他部局等, 教授 (80352293)
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キーワード | ロコモーティブシンドローム / サルコペニア / 介護予防教育 |
研究概要 |
日本人の平均寿命は男性80歳、女性86歳となりほぼ世界一となった。しかし全員が健康で暮らしているわけではなく、人生の終盤において何らかの介護を必要とする期間が数年ある。加齢に伴う骨格筋量、及び筋力が低下する『サルコペニア』となると運動機能・生活機能が低下する「ロコモーティブシンドローム」を誘発する。要介護となる原因として関節疾患や転倒・骨折などの運動器疾患が脳卒中や認知症と並び全体の約22%を占めている。本研究は介護施設を利用している高齢者に対して機能低下を予防するため行う運動器リハビリテーションとバランス能力・歩行状態を施設入所高齢者に対しての効果的リハビリテーションの開発と標準化を目指すものである。 昨年度運動器の障害のために要介護状態となるロコモーティブシンドロームについて筋力のみの関係性に着目し健常者における測定のプロトコルを作成を行い、高齢者測定の準備のためのシュミレーションを行った。また、筋力、バランス能力とともに、筋肉量を総体的に測定する事が重要であるという知見を得た中から、高齢者に対するロコモーティブシンドローム対策のためのプログラム「ロコモ体操」が効果的であるという知見を得た。今年度、本短期大学の学生を対象とし、筋力、バランス能力、筋肉量のデータを自ら自覚することで、高齢者施設でのロコモーティブシンドローム対策の為のプログラムが重要であると認識できることを確認した。高齢者施設に実習し、将来就職する学生が施設内において運動機能の低下防止、維持を行うために学生教育は非常に重要である事が認識された。ロコモーティブシンドローム対策の為の方策の開発、標準化はもちろんであるが、広く認識し、実践するための教育も同時に進める必要があるとの見解を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究課題の目的である包括的リハビリテーションメニューの開発において、高齢者の身体的状況の的確な把握、状態変化を詳細に掴む為に若年者の実態調査を行った中から、学生のロコモーティブシンドロームに対する意識の変化が、高齢者のロコモーティブシンドローム対策のために重要であるとの見解が得られた。高齢者への実態調査からのロコモ対策の効果的なメニューの開発とともに、教育現場におけるロコモ対策普及の取り組みが将来的に広く浸透するためのキーとなり得ることを認識し、メニュー開発の為の研究と普及教育方法についての検討を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度得られたプログラムを基に引き続き高齢者への測定データ収集、検討を行うとともに、介護福祉教育内におけるロコモーティブシンドロームの普及教育の中から学生が高齢者施設実習の中でロコモーティブシンドローム対策の為のリハビリテーションもしくはレクリエーション(ロコモ体操)の実施状況についての実態調査報告について学会発表を行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
現在高齢者へのデータ収集を行い、効果的なロコモーティブシンドローム対策のためのリハビリテーションメニューの検討を行うためには高齢者へのデータ収集と普及と共に学生へのロコモーティブシンドローム教育を行うことが、効果的であるとの見解から、高齢者へのデータ収集が若干遅れている現状にあるため。 ロコモーティブシンドローム普及教育効果と実践効果についての学会発表を行うための旅費交通費、また同時に高齢者に研究測定を行う際の謝礼・人件費を予定する計画である。
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