平成27年度は,平成25年度に取り組んだ字句単位のコードクローン検出手法をシステムとして実装した.従来の字句単位の検出手法では,不一致のプログラム文を含む類似コード片をクローンとして検出できないことが課題であった.本研究では,バイオ情報工学の分野で利用されているSmith-Watermanアルゴリズムを利用することで,検出の速度を損なうことなく,そのような不一致を含むコード片をクローンとして検出する技術を開発した.この技術をシステムとして実装することにより,多くの人にこの技術を利用してもらうことができる. また,そのシステムを利用して,ある企業で開発されているソフトウェアに対して実験的に適用した.その結果,十分に速い速度でコードクローンを検出することができた.また,検出結果を利用してそのソフトウエアの開発プロセスを分析した.クローン情報を用いることで,開発プロセスの分析により,ソフトウェア中のクローンがどのような開発プロセスに影響を与えているのかについて知見を得ることができた. 最終年度であるため,本研究で提案した手法の論文化についても積極的に行った.
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