本研究は、近年問題となっている特定組織や個人への標的型サイバー攻撃に対する有効な対策手法をテーマに実施した。この分野の研究が効果的に実施されていない理由として、多くの研究組織において標的型サイバー攻撃の実態把握ができていない現状に着目し、情報共有を活性化するために攻撃で用いられた不正プログラム(マルウェア検体)の共有のための文書型マルウェアの匿名化手法を提案した。また、標的型攻撃で用いられることの多いリアルタイム遠隔操作マルウェアの効率的な観測手法を提案し、観測結果にもとづき、これらのマルウェアの通信を検知する手法を提案、評価した。
|