平成26年度は,前年度までに構築したアクティブプロジェクションシステムを利用して応用実験を行い,アクティブプロジェクション技術の実利用に関する基礎的な知見を集めるとともに,これまでの遂行してきた研究成果を論文・学会発表として積極的に発信した.本年度の主な成果は次の通り. (H26-1)アクティブプロジェクションシステムを利用して,高速に運動する対象に映像を投影する技術を開発した.跳躍する卓球の球や人間が動かす球や円盤に映像を投影するデモンストレーションを行い,あたかも印刷されているかのように対象に映像を重畳できることを示した. (H26-2)(H26-1)を発展させ,人間が動かしている対象の運動に整合するように,投影する像の内容を物理エンジンを利用して動的に生成するデモンストレーションを行い,新たな映像メディアとしての利用方法を提案すると共に,展示会への出展などを通じてその有効性を発信した. (H26-3)当初高速な焦点制御と投影像切り替えによるプロジェクションを予定していたが,焦点制御のかわりに複数プロジェクタを光軸を共有して設置する方式とすることでより汎用性の高い手法が構築できることが判明したため,この方式を採用した新たなプロジェクション手法を研究・開発した.特に,このプロジェクション方式で投影像を工夫することで少ない演算量で高速に距離画像計測が可能な高速三次元情報計測手法を構築した. (H26-4)(H26-3)を利用して,1msで距離画像を実時間推定可能なシステムを構築し,距離情報に基づいて対象を認識することで,高速に対象をトラッキングし,映像を計測するデモンストレーションを実施した.これにより,提案手法の有効性を実証した.
|