研究概要 |
大きな災害や事故・事件のあと,その体験によるPTSDやストレスが情動として発露する.このような情動のセンシングは,発汗や心拍数,アミラーゼなどといった生理指標を用いたものが多数あるが,測定に時間がかかったり,装置の装着が必要で,近年重要視されている幼児に対する心のケアにおいては負担が大きいという問題がある.そこで本研究では,センサとマイクロプロセッサを内蔵したブロックAssessBlockを開発し,これを積み木遊びの遊具として用い,情動を含むブロックへのインタラクションを記録し解析することで,センシングを意識することなく,非装着に,リアルタイムに幼児のPTSDやストレスレベルを測定し,さらにPTSDの治療へと応用できる技術を確立する.平成24年度はAssessBlockのプロトタイプとして,積み重ねをリアルタイムに検知可能なブロックシステムの実装を行った.積み重ねの検知についてはその有無だけではなく,どの位置にどの角度で積み重なっているかまでを検出可能なものとした.ブロックシステムはハードウェアとソフトウェアからなり,ハードウェアについては表面に赤外線LEDとフォトディテクタを複数並べ,積み重なったブロックと相互に赤外線通信することで積み重ねを検知する.また,ハードウェアとPCはUSBを使用して通信し,積み重ね情報をPCが受け取り,その情報を用いてPC内の組み立て形状モデルを都度更新することでこれを実現した.
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