研究課題/領域番号 |
24680019
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
下ノ村 和弘 立命館大学, 理工学部, 准教授 (80397679)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 視線制御 / ロボットビジョン / センサフュージョン / 感覚運動統合 |
研究概要 |
本研究の目的は,人間の運動時の視野の揺れを補償する視線安定化機構のシステムの全体像を明らかにすることである.視線安定化は,「視覚情報と前庭情報(頭部の動きの情報)の統合」および「眼球と頭部の協調運動」という特徴をもつ.このような系の理解を進めるために,実験に基づくモデル構築と同時に,ロボット実機を用いたモデル検証を実施する.平成25年度は,歩行時のヒト眼球・頭部運動の同時運動計測実験,視線制御モデル構築,およびロボットヘッドを用いたモデル実装実験を行い,下記の成果を得た. 1.ヒト眼球・頭部運動の同時運動計測 平成24年度に構築したウェアラブル眼球・頭部運動計測装置を用いて,歩行中のヒトの眼球・頸部運動の同時計測を行った.視標距離により眼球および頸部運動の位相関係が変化することが確認できた.また,歩行中の装置の揺れを補償する画像処理アルゴリズムの開発を行い,運動計測の計測精度を向上させた. 2.ロボットヘッドへの改良と視線制御実験 平成24年度に製作したロボットヘッドを用いて,視線制御実験を行った.頸部自由度を利用して生成した頭部揺れに対して,カメラ画像情報に基づくフィードバック制御と慣性センサ情報に基づくフィードフォワード制御により左右両眼のカメラ運動を制御し,視線を視標に固定できた.なお,頸部アクチュエータを変更し,より安定した動作が行えるようにした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度の研究実施目標であった眼球頭部運動計測装置およびロボットヘッドの仕様修正を行い、これらを用いてそれぞれ計画していた実験を開始することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度に製作した眼球頭部運動計測装置およびロボットヘッドを用いて、引き続き、眼球頭部運動計測、その結果に基づく視線制御モデルの構築およびロボット視線制御実験を行う。対象物の運動、頭部の運動、視標距離を変化させながら、モデルの完成を目指す。
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次年度の研究費の使用計画 |
カメラ画像処理のためのFPGAボードを外注する予定であったが、今年度は既に所有のボードを代替として使用したため。 次年度にカメラ画像処理のためのFPGAボードを製作することで、次年度使用額は全額執行予定である。
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