研究課題/領域番号 |
24680020
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山川 雄司 東京大学, 情報理工学(系)研究科, 助教 (90624940)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 柔軟物 / マニピュレーション / 高速フィードバック |
研究概要 |
本研究では,高速ロボットと高速ビジュアルフィードバックを用いた,紐・カード・布や粘土などの柔軟物の高速操りの実現を目指している.特に,高速動作を利用することにより,柔軟物の簡易モデル化を可能にするとともに,軌道生成や制御を容易にし,様々なタスクを実現することを目的としている.平成25年度は,柔軟物操りの対象物体の拡大を目指して,リボンやピザ生地の操りを実現した. 1. 柔軟物の高速操りのシミュレーション:柔軟物の変形モデルを線状柔軟物(1次元モデル)から帯状・面状柔軟物(2次元モデル)へと変形の自由度を拡張するとともに,シミュレーションが可能な柔軟物の簡易モデル化を行った.特に,高速性を利用した操りによるモデルの簡易化を行った. 2. リボンの形状制御:新体操競技で行われているような,帯状柔軟物であるリボンを様々な形状に制御するタスクを実現した.特に,空気抵抗などを考慮した帯状柔軟物に関する理論的解析を行うと同時に,ロボットの基本動作手法を提案し,シミュレーションと実機実験により有効性を確認した. 3. ピザ生地回し:ピザ生地回しを実現するための操りスキルの抽出を行い,それに対するロボットの動作戦略を提案した.その動作戦略を基に,シミュレーションを行い,提案手法の有効性を確認した.また,様々な条件に対するシミュレーションを行い,力学現象について言及した.有効性の確認後,ピザ生地回しの予備実験を行い,初期の回転制御に成功した.加えて,ピザ生地の形状を認識するための画像処理についても検討した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
帯状柔軟物であるリボンの操りを理論的に解析し,ロボットの動作条件を導出している.得られた理論を基にリボンの形状生成に関する実験を行い,目標形状の生成に成功している.また,ピザ生地回しのシミュレーションを行い,基本的な戦略を提案するとともに,初期の回転制御に成功している.
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今後の研究の推進方策 |
ピザ生地回しに対する高速視覚フィードバック制御手法を提案し,タスク実現を目指す.また,対象の拡大を目標として粘土の成形に着手する予定である.具体的にはピザ生地回しの知見を基に,粘土を高速に回転させ,そのときに発生する遠心力を利用して粘土の伸張を目指す.
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次年度の研究費の使用計画 |
当初の計画よりも消耗品費が少なかった. ロボットハンドによる操り中,ロボットハンドの可動域のみでは十分な実験の遂行が困難な場合が存在するため,3軸ステージを導入するとともに,現存システムへの統合を行う予定である.
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