平成26年度の研究実績は以下の通りである。 (1)前年度に提唱した時間反転積分法に基づき、弾性・慣性・位置エネルギの総和を常に増加させつつ、与えられた最終状態(ボールリリース姿勢・速度)に達する制御指令シークエンスを生成し、実ロボットで効果を確認した。 (2)全身に弾性要素を有するヒューマノイドロボットを設計・開発し、基礎的な実験を行った。 (3)空気圧人工筋により駆動されるロボットシステムにおいて、弾性エネルギを活用するための身体構成法と制御法を提示した。 これらの成果は、ロボット界最高峰の国際会議であるICRA2015に採択され、雑誌論文にも投稿準備中である。その他にも、査読付国際会議、国内学術講演会、アウトリーチ活動(イベント出展やメディア取材)等を精力的に行った。日本ロボット学会及び日本機械学会からの学術表彰も受賞した。 今後の展望も色々と見えてきており、全身の弾性・慣性・重力のポテンシャルを巧みに活用するヒューマノイド制御法や、空気圧人工筋駆動ロボットにおいてON/OFFバルブの操作を一度行うだけで特定の動的動作が実現するようなハードウェアの設計法など、新規な研究を進めてゆく。
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