研究課題
本年度は、前年度までに日本人およびオランダ人を対象に実施したfMRI実験のデータ解析を進め、視聴覚情動認知の文化差を生み出す神経基盤を同定することを目標とした。fMRI実験では、視聴覚情動刺激(顔と声)に対する脳活動計測と同時並行して、行動データ(どのような情動だと判断するかをボタン押しによって回答する)も記録した。前年度までに、これらの行動データの解析と、脳画像データの個人レベルでの解析を終えた。また、個人解析の結果をもとに、日本人群およびオランダ人群のそれぞれについて、特定の条件間の比較(コントラスト)において有意に賦活する部位を検討した。本年度は画像の前処理手法を改善したうえで、再度上記の解析を実施した。分析にはSMP8.0を用いた。解析は単独モダリティ呈示での基礎的なコントラストから順に慎重に検討を進めた。例えば、視聴覚提示条件と視覚単独呈示条件のコントラストでは聴覚野近傍に活動が認められるかどうかを確認した。同様に、刺激の視聴覚提示条件と聴覚単独提示条件のコントラストでは視覚野近傍に活動が認められることを確認した。単独モダリティでの活動部位を同定した後には、視聴覚の多感覚モダリティ呈示での活動部位を検討した。日蘭それぞれの群ごとの解析が完了したのち、日蘭のグループ間での比較をおこなった。脳画像データと行動データの対応関係を検討し、どのような脳部位および神経ネットワークの活動の違いが、行動レベルでの文化差に結び付くのかを検討した。また、脳活動と行動データの相関解析も実施し、両者の関連性を定量的に把握した。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件) 備考 (1件)
電子情報通信学会技術研究報告
巻: HIP2015-45 ページ: 83-88
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