研究実績の概要 |
本年度は、以下の研究を行った。(1)次世代シークエンサーによるRNAの2次構造推定(DMS-seq, SHAPE-seq等)のデータセットの網羅的な収集・解析を行い、これらの実験情報を利用して構造予測を高精度に行うためのアルゴリズムの構築およびプロトタイプ実装を行った。さらに実装したプログラムの評価を行うことにより、アルゴリズムの有用性を確かめた。(2)さらに、本年度は、本研究の成果を長鎖ノンコーディングRNAの機能解析に応用するための研究を複数行った。具体的には、本研究で開発した手法を用いて、長鎖ノンコーディングRNAの機能を推定するための方法の検討を行った。その際に、英文と日本語の2本のレビュー論文を執筆した(Biochim Biophys Acta. 2016 Jan;1859(1):23-30; 日本生物物理学会論文誌)。(3)また、本年度は研究期間の最終年度であるため、開発したRNA構造解析技術を広く普及させるためにCentroidFold, CentroidHomfoldなど複数のRNAの配列情報解析技術を統合したWebサーバRtools(http://rtools.cbrc.jp/)を公開した。このWebサーバの論文がNucleic Acids Res.誌のWebサーバissueへ掲載が決定している。このWebサーバを通して、科研費の成果が実験生物学者などに広く普及することが期待される。
|