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2013 年度 実績報告書

成体脳新生ニューロンのシナプス結合様式の解明

研究課題

研究課題/領域番号 24680035
研究機関京都大学

研究代表者

今吉 格  京都大学, 白眉センター, 准教授 (60543296)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードニューロン新生 / 神経幹細胞 / 海馬 / 嗅球
研究概要

生後脳・成体脳の神経幹細胞や新生ニューロン特異的に遺伝子操作を行う事ができるマウスモデルを作製した。具体的にはタモキシフェン投与依存的に、神経幹細胞特異的にCreの組換え活性を誘導できるトランスジェニックマウスを樹立した。また、Creの組換え依存的にシナプス放出を阻害する神経毒素であるTeNT遺伝子を発現するようなコンストラクトを、VGLUT1の遺伝子座にノックインしたマウスを作製した。これらの遺伝子改変マウスを交配する事で、生後脳海馬ニューロン新生を特異的に阻害する事が可能になった。今後、これらの遺伝子改変マウスを交配し、行動解析を行う事で、記憶•学習などの高次脳機能や、発達障害や精神疾患の発症・病態と、ニューロン新生の関係について評価を行う。現在の所、嗅覚情報と報酬の関連学習には生後脳海馬ニューロン新生の関与は少ないが、ワーキングメモリーや情動の制御に生後脳海馬ニューロン新生が積極的に関与しているという予備データを得ている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究の推進に必須な、モデルマウスの開発は順調に完了し、現在その解析段階に入っている。今後の生理学的解析や行動学的解析を通じて、生後脳ニューロン新生の機能的意義について、新規知見が得られると期待される。

今後の研究の推進方策

海馬・歯状回のニューロン新生を、特異的に阻害できる新たな遺伝子改変モデルマウスを作製し、生理学・病理学・行動学的解析を行う事で、ニューロン新生の発達障害や精神疾患への関与を解明する。具体的には、自発活動性、不安様行動、他のマウスとの相互作用を中心とした社会性を調べる行動解析テストを行う。またポーソルト強制水泳テストやtail suspension testなどのうつモデルの行動解析テストや、統合失調症の患者で有意な低下が報告されているプレパルスインヒビションの判定も行う。また、認知能力への影響を確認するため、ワーキングメモリーや空間記憶を判定するラディアル迷路やバーンズ迷路を用いた記憶・学習課題も行う。さらに、発達障害や精神疾患の患者では睡眠障害が高頻度に観察される事から、脳波と筋電図の測定やホームケージでの活動測定を行うことで、睡眠リズムへの影響の有無を観察する。これらの様々な行動解析を行うことで、海馬のニューロン新生の阻害と、行動の変化がどのように関連しているかを多面的に観察する事が可能になる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] bHLH Factors in Self-Renewal, Multipotency, and Fate Choice of Neural Progenitor Cells.2014

    • 著者名/発表者名
      Imayoshi I, Kageyama R.
    • 雑誌名

      Neuron

      巻: 82 ページ: 9-23

    • DOI

      10.1016/j.neuron.2014.03.018.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Continuous Postnatal Neurogenesis Contributes to Formation of the Olfactory Bulb Neural Circuits and Flexible Olfactory Associative Learning2014

    • 著者名/発表者名
      Masayuki Sakamoto, Nao Ieki, Goichi Miyoshi, Daisuke Mochimaru, Hitoshi Miyachi, Tetsuya Imura, Masahiro Yamaguchi, Gord Fishell, Kensaku Mori, Ryoichiro Kageyama, and Itaru Imayoshi
    • 雑誌名

      The Jourinal of Neuroscience

      巻: 34 ページ: 5788-5799

    • DOI

      10.1523/JNEUROSCI.0674-14.2014

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Oscillatory control of factors determining multipotency and fate in mouse neural progenitors.2013

    • 著者名/発表者名
      Imayoshi I, Isomura A, Harima Y, Kawaguchi K, Kori H, Miyachi H, Fujiwara T, Ishidate F, Kageyama R.
    • 雑誌名

      Science

      巻: 342 ページ: 1203-1208

    • DOI

      10.1126/science.1242366.

    • 査読あり

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公開日: 2015-05-28  

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