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マウスにおける始原生殖細胞（primordial germ cell）の試験管内培養系を確立するため、本年度はES細胞から試験管内で分化誘導した始原生殖細胞（PGC-like cell;PGCLC）を用いた培養系の確立を下記の実験により試みた。
研究代表者らはこれまで、オスのPGCLCを用いてhigh-thoroughput chemical library screeningを行うことにより、PGCLCを増殖させることのできる化合物を見出してきた。また、試験管内で増殖させたPGCLCを精巣に移植することにより、産仔能を有する機能的な精子に分化できることを示してきた。本年度はこれらの見出した化合物がメスのPGCLCでも有効かどうかを検討した。その結果、これらの化合物はメスのPGCLCを増殖させることができ、また、増殖させたPGCLCを用いて卵子形成誘導を試みたところ、形態学的に卵子様の細胞を得ることに成功した。
さらに、試験管内で増殖させたPGCLCの遺伝子発現解析を、RNA-sequencingにより行ったところ、培養したPGCLCは生体の移動期PGCに相当することが明らかとなった。
今後、培養したメスのPGCLC由来の卵子の機能解析、bisulfite sequencingによるメチル化状態の解析を行う予定である。
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