炎症自体は免疫反応によるものであるが、原細胞における炎症「促進」反応の沈静化と慢性化には、力学的な力が関与することを実証するのが本研究の目的である。力は細胞-基質間接着(焦点接着斑)へと物理的に作用するため、本研究では焦点接着斑を構成するタンパク質の一つpaxillin(および炎症促進に関わるそのチロシン残基pY118のリン酸化)に特に注目して力が及ぼす影響を調べた。その結果、力(細胞収縮力)が弱い条件ではpY118のリン酸化レベルが有意に高く、rac1の活性化を導いて炎症を促進する反応を起こすことがわかった。
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