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2013 年度 実績報告書

MEMP-PA式血糖値センサの開発

研究課題

研究課題/領域番号 24680058
研究機関長岡技術科学大学

研究代表者

和田森 直  長岡技術科学大学, 工学部, 助教 (60303179)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード光音響分光法 / 非侵襲 / 糖尿病 / MEMS
研究概要

糖尿病治療の基本は、血糖値の測定であるにも関わらず、一般的な測定方法は観血的な方法である。しかし、非侵襲血糖値測定の実用的な手法は確立されておらず、近年では、さらに、連続的な血糖値測定に対する要望が高まりつつある。血糖値の連続的な測定を実現するためには、システムの低消費電力化、小型化が必須の課題である。
我々は、光音響分光法(Photoacoustic Spectroscopy; PAS)による非侵襲血糖値測定システムの開発を行っており、測定精度の向上を図ると共に、装置の小型化を進めている。光音響現象は、断続光を物質に照射すると光吸収により断続光の周波数と同じ周波数の音波が物質から発生する現象であり、発生する音波の強度が光吸収量に比例することから、濃度などを推定することが可能である。その音波の検出には一般にマイクロホンが用いられる。そこで、携帯電話などに利用されているMEMS技術によるマイクロホン(以下MEMSマイク)を信号検出素子として用いたMEMS-PA式血糖値センサを開発した。その際に、2種類のMEMSマイクの性能評価を行った。具体的には、増幅器を搭載したMEMSマイク(SPU0414HR5H; Knowles、以下、搭載型と称す)と増幅器を搭載しないMEMSマイク(SPW0430HR5HB; Knowles、以下、非搭載型と称す)の周波数特性を測定した。
現在のところ、変調周波数の周波数範囲は音響周波数帯(~20kHz)を対象としていることから、この周波数範囲で検出器の周波数応答が可能な限り平坦であることが望ましい。測定結果から搭載型に比べ非搭載型が所望の周波数範囲において、周波数特性が平坦であったことから、光音響信号の検出器として非搭載型を採用した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

所望する出力、波長を有する半導体レーザの調査、選定に時間がかかり、各波長の半導体レーザをワンチップ化した光学系の開発が遅れたため

今後の研究の推進方策

昨年度、MEMSマイクロホンとSMAカプラとを組み合わせた光音響(Photoacoustic; PA)式血糖値センサを試作した。PA式血糖値センサはSMAコネクタ付き光ファイバカップリングレーザの先端に取り付けて使用する。本年度は、その試作器の感度、周波数特性などの性能評価を行った。本年度は、試作器の性能評価を踏まえ、MEMS-PA式血糖値センサを完成させ、下記の評価実験を実施する。
●水溶グルコース濃度の定量実験---試作器を用いて、水溶液中のグルコース濃度の定量実験を実施する。実験項目は、希釈直線性、ビリルビンFなどの共存物質の影響について検討する。
●血中グルコース濃度の定量実験---そして、微量成分である血中グルコース濃度の定量の可能性を探るため、in vitroでのグルコース濃度の定量を行う。試料には、グルコースと牛血清アルブミンに、光散乱を増幅させるために均質化された牛乳を加えた混合溶液を用いる。測定したPA信号にPLS回帰を適用してグルコース濃度を推定する。
●マウスによる動物実験---正常、糖尿病マウスによる糖負荷実験、正常、糖尿病マウスを対象とした再現性(同時、日差)実験を実施し、生体計測への適用の可能性を明らかにする。
●ボランティアによる75g 経口糖負荷試験---ボランティアによる75g 経口糖負荷試験(OGTT) を実施し、MEMS-PA 式血糖値センサの有効性を明らかにし、MEMS-PA式血糖値センサの臨床応用の目処をつける。

次年度の研究費の使用計画

所望する出力、波長を有する半導体レーザの調査、選定に時間がかかり、各波長の半導体レーザをワンチップ化した光学系の開発が遅れたため
各波長の半導体レーザをワンチップ化した光学系の開発費用にあてる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 光熱変換分光法を用いた非侵襲血糖測定器の小型化2013

    • 著者名/発表者名
      和田森 直
    • 学会等名
      日本ハイパーサーミア学会第30 回大会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      20130830-20130831

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公開日: 2015-05-28  

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