経頭蓋直流電気刺激(transcranial direct current stimulation: tDCS)は,頭蓋上に貼付した電極から微弱な直流電流を与えることで,非侵襲に大脳皮質興奮性を促進する手法であり,リハビリテーションへの応用が期待されている。昨年度までの研究では、上肢運動技能の獲得に対して効果的なtDCSパラメータの検討を健常成人と脳卒中患者を対象に行った。その結果、身体に対する注意と運動野へのtDCSを組み合わせることにより、それぞれ単独で行うよりも(1)長期的に運動皮質可塑性の誘導ができること、(2)運動課題の成績が促進されること、(3)その効果には個人差があることが明らかになった。本年度は、研究の期間延長を申請した年度であり、研究成果を主に学術論文として発表する活動を行った。その結果、比較的多くの論文を学術誌に報告することができた。
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