研究課題/領域番号 |
24680064
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研究種目 |
若手研究(A)
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研究機関 | 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター |
研究代表者 |
島田 茂伸 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター, 開発本部開発第一部・機械技術研究グループ, 副主任研究員 (80377027)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | リハビリテーション / 福祉工学 / ヒューマンインタフェース / 視覚障害者 / ハプティクス |
研究概要 |
視覚障害者が図表情報を獲得する手段、および画面上のレイアウトを認識する手段に触覚ピンディスプレイがある。これは図表やレイアウトをピンの凹凸として表現し、指で触ってわかるようにしたものである。疎なピンの集合を触って一つのオブジェクトとして認識することは難しいことからピンは2mm程度の間隔で高密度に集積され、かつ高速/任意のパターン表現が望まれることから各ピンは独立駆動であることが要求される。これを機械的に実現すると高コストとなり市井のピンディスプレイは50×30ドット程度、ピン間隔2mmで換算すると100×60mm程度の画面サイズが限界になっている。こうした小さく色彩もなく分解能も低い画面から詳細を得るためにコンテンツを拡大するが、そうすると全体レイアウトはわからなくなる。レイアウト把握のため縮小すると詳細は点になって判別できない。拡大縮小を繰り返した結果、しばしば自分がコンテンツのどこを触っているのかわからなくなる。本研究ではXYテーブルとピンディスプレイとを組み合わせ、ピンの詳細情報はパターン認識の得意な指先に提示し、全体レイアウトはXYテーブルに乗せた手腕の関節覚によって大域位置情報提示を行うハプティクス型触覚ピンディスプレイを提案し問題の解決を図る。日本地図を提示例として、テーブルを右上に移動すると北海道がピンで凹凸表示され、左下に移動すると沖縄が凹凸表示される。XYテーブルはリニアガイドを用いた直動機構2式で構成し、1式のテーブルに他1式の直動機構の重心を組み付け平面図視点では十文字になるように構成した。XYテーブルの可動範囲は800×600mmを設定し30Nの力で動作可能である。今後の被験者実験によって評価を行い、操作的に困難性が観察されれば可動範囲変更やアクチュエータを加えたパワーアシスト型への改良を検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の目的に記した内容にそったデバイス製作を年度内に完了している。
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今後の研究の推進方策 |
計画書に基づきパワーアシスト型への改良の検討を行う。また触地図コンテンツの仕様をフィックスし、コンテンツ開発、被験者実験計画策定を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初予定していた制御装置と比して更に研究推進に効果的である装置の情報を得、両者の長短所やシステム変更工程の比較検討に時間を要し予算執行に至らなかった。翌年度に制御装置を要するのでその購入費とする。
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