研究課題/領域番号 |
24680065
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研究機関 | 東北学院大学 |
研究代表者 |
鈴木 宏哉 東北学院大学, 教養学部, 准教授 (60412376)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 体力 / 身体活動 / 子ども / 体調 / 東日本大震災 / 唾液 / 健康関連QoL |
研究概要 |
本研究では,宮城県沿岸部被災地の小中学校に通う子どもの身体活動量と健康関連QoLについて2年間3時点の経時変化の実態を明らかにすることを目的とした.宮城県牡鹿郡女川町の小学4年生から中学3年生の全児童生徒を対象とした.対象者のうち被災により住居移転を余儀なくされた子どもは53.7%であった.調査は,2011年9月(1時点目),2012年3月(2時点目),2013年3月(3時点目)に自記式質問調査で行われ,調査参加者は,それぞれ,397名(男子200名,女子197名),344名(男子155名,女子189名),324名(男子155名,女子169名)であった.分析に用いた項目は,1週間の総運動時間(60分未満者の比率),健康関連QoL(日本語版PedsQL)であった.60分未満者比率の3時点の値はそれぞれ小学男子12.2%,16.2%,16.4%,小学女子45.4%,51.6%,50.0%,中学男子16.7%,14.7%,25.6%,中学女子42.6%,48.8%,42.2%であった.QoL総合得点の3時点の値はそれぞれ小学生81.4±14.1(男子82.7±14.5,女子80.1±13.8)点,83.9±11.5(男子85.5±11.7,女子82.6±11.2)点,84.2±10.6(男子85.4±10.7,女子83.0±10.6)点,中学生80.3±13.1(男子83.5±12.5,女子76.9±12.9)点,79.8±13.4(男子82.8±12.9,女子77.0±13.3)点,80.8±12.6(男子84.1±11.4,女子77.5±13.0)点であった.1週間の総運動時間とQoL総合得点は,いずれの集団においても有意な経時変化は見られなかった.沿岸部被災地の子どもの身体活動量と健康関連QoLは震災半年後から2年が経過しても集団としてはほとんど変化しておらず,先行研究の標準値と比べ低い傾向にある.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画通りに調査及び介入プログラムを実施することができた.計画したデータの収集をすべて行うことができたが,一部の収集データについては分析が済んでいないため.
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今後の研究の推進方策 |
本研究は,被災地域をフィールドとして,被災地域に住む児童生徒の調査及び介入を行う研究であるため,昨年度と同様に現地スタッフを継続して雇用し,研究代表者としても現地教育関係者や地域住民との信頼関係の構築に努める.
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次年度の研究費の使用計画 |
人件費が想定よりも低かったため. 調査データの集計作業等(人件費)として使用する.
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