研究課題
我々は2011年9月から宮城県牡鹿郡女川町の小学4年生から中学3年生(男子96名,女子101名:2011年9月調査時点)の悉皆調査(Onagawa Growth and Health Longitudinal Study)を行っている.調査は,2011年9月,2012年3月,2013年3月,2014年3月,2015年3月,2016年3月の合計6回実施し,生活環境(居住環境,周辺環境),身体活動量(WHOHBSC身体活動項目,文科省調査1週間総運動時間,IPAQ座位活動時間,加速度計を用いた歩数及び中高強度活動時間),身長,体重,運動部活動等加入状況,健康関連QoL(PedsQL日本語版),ストレス(コルチゾール)や免疫機能(SIgA)に関する実態とその関連性について検討した.なお,分析は2015年3月までの調査結果を用いて行った.実態調査の結果,60分未満者の割合の推移は29.4%→35.5%→35.3%→28.7%→27.6%であった.特に,女子だけに限定するとその割合は45.4%→51.6%→50.0%→40.9%→31.5%と2012年3月以降減少傾向にあった.組織的スポーツ活動加入率の推移は32.5%→39.9%→38.8%→47.9%→47.2%であった.座位活動時間(中央値)は,小学生の平日において有意な減少がみられ,中学生では平日,休日ともに有意な減少がみられた.コルチゾール濃度は2011年9月と比較して有意な低下が観察され,SIgA濃度は対照的に有意な上昇を示した.関連性に関する分析の結果,男女すべての時点においてPA分類と有意な関連性を示した(効果量:0.319~0.685).居住環境については2011年9月の女子における仮設住宅入居だけがPA分類と有意な関連性を示した(効果量:0.455).以上のことから,震災後半年頃と比べて各指標で改善が認められていること,そして組織的スポーツ活動の加入率増加が被災地の子どもの身体活動量の改善に影響していることが示唆された.
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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