本研究では、肥満や糖尿病などのメタボリック症候群様症状を示す生活習慣病において、近年重要視されている慢性的な軽度の炎症レベルを評価できる起炎性分子の探索・同定・機能解析を行った。特に、腸内細菌叢と生体との相互作用がメタボリック症候群の表現型を決定する大きな因子であることが明らかになりつつあるので、糞便中に含まれる化合物の分析を行い、既存のバイオマーカーよりも早期に且つ正確に、また非侵襲的に評価できる新規診断法開発を目的とした。各モデルマウス糞便試料分析より、疾患群糞便で変動する化合物としてヘム関連化合物を複数同定し、生活習慣病の表現型に影響を及ぼす可能性が示唆された。
|