研究課題/領域番号 |
24680081
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
尾澤 重知 早稲田大学, 人間科学学術院, 准教授 (50386661)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 学習者分析 / デジタルペン / ソーシャルメディア / 授業実践研究 / 高等教育 |
研究概要 |
大学の授業において、学生は授業中、何をしているのだろうか。学生は「授業を聞き、必要に応じてノートを取り、授業を理解しようとしている」というのは、どのような形式であれ授業が成立するための大前提である。しかし実際は、学生がどのような行動を取り、どのように授業を理解しているかは、多くの教員にとって経験的な理解であることが多い。 本研究では、学生が授業の「何を見ているのか」という行動に関わる情報と、「何を書いているのか」「何を疑問に思っているのか」の思考プロセスに関わる情報を取得し、教員にフィードバックするシステムを構築する。 具体的な情報取得のツールとして、アイトラッキング(視線解析)やデジタルペン、ウェアラブルカメラ、携帯端末などの新たなテクノロジを応用し、学生がいかに授業を受講し、授業を理解しようとしているかを、大学での授業実践をフィールドとして検討する。また、これらのテクノロジを用いて学生の学習状況をリアルタイムで教員にフィードバックするシステムを開発し、大人数教室やeラーニングで授業を行う教員の教授支援方法を検討する。これらを実際の授業実践で利用することで、学生の学習プロセス及び、フィードバックによる授業改善効果を明らかにすることが目的である。 これまでの研究では、アイトラッキング及びデジタルペンを用いて定量・定性的に学生の受講行動を計測、フィードバックが可能なシステムを構築し、授業規模が異なる授業で検証を行っている。また、携帯端末等のパーソナルデバイスを用いた検証としてソーシャルメディアの一つであるTwitterを利用し、学生の投稿内容をアーカイブしつつ、分析可能なシステムを構築した。200人前後の大人数が受講する授業で運用し、実践内で評価している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
第一に、システムの開発に関しては、ウェアラブルカメラ、アイトラッキングシステム、デジタルペン(加速度センサー及びanoto技術を用いた記述内容の定性的把握)をバランス良く進めている。とくにデジタルペンについては定量的・定性的に学生の受講行動を計測・フィードバックが可能なシステムを構築し、複数の授業実践で検証を行っている。 第二に、携帯端末等のパーソナルデバイスの利用では、ソーシャルメディアの一つであるTwitterを利用し、学生の投稿内容をテキストマイニング等で分析するシステムを安定運用している。システムは大人数が受講する授業で運用し、実践内で評価し、大量のデータを取得している。ネットワーク分析など、テキストマイニング以外の分析手法もプロトタイプを作成している。
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今後の研究の推進方策 |
システムの開発に関しては、ウェアラブルカメラ、アイトラッキングシステム、デジタルペン(加速度センサー及びanoto技術を用いた記述内容の定性的把握)をバランス良く進めている。試行的な評価をしながら、現在大量のデータを取得しており、今年度中に分析を進める。複数の授業実践で検証を行った結果を学術論文にまとめ、学会発表を図る。 携帯端末等のパーソナルデバイスの利用では、ソーシャルメディアの一つであるTwitterを利用し、学生の投稿内容をテキストマイニング等で分析するシステムを安定運用している。成果は現在、論文投稿中である。本システムについては他研究者や実践者へ公開し、より広範囲でデータ取得しながら、分析を進めることを検討している。 学生が授業の「何を見ているのか」という行動に関わる情報と、「何を書いているのか」「何を疑問に思っているのか」の思考プロセスに関わる情報の効果的な可視化方法、フィードバック方法について、さらに検討を進める。
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