研究課題
本研究課題は内視鏡によって得られる臨床検体を、次世代シークエンサーを用いて分子レベルで統合的・包括的に解析することにより、大腸癌において重要な役割を果たす長鎖非コードRNA(ncRNA)の量的・質的な異常を同定することを最終的な目的とした。初めに微量な内視鏡検体を次世代シークエンサーで解析するための基盤技術を確立した。これまでに大腸内視鏡検体39検体のヒストン修飾に関するChIPSeqデータ(H3K4me3, H3K27me3)を収集した。さらにTCGAやENCODEプロジェクト等の公共データベースが提供するRNASeqやメチル化データを用いて統合解析を行い、大腸癌において特異的に活性化・不活性化している長鎖ncRNAのリストを作成した。それらに関して多数の臨床検体でメチル化や発現状態の確認を行った。さらに癌細胞株を用いた分子細胞生物学的な実験により、それら長鎖ncRNAが細胞に及ぼす影響を検証した。これらの一連の解析により、大腸癌において普遍的にDNAメチル化により不活性化している長鎖ncRNAや、癌で高発現しており発癌に関与しうる長鎖ncRNAを同定できた。また長鎖ncRNAの質的異常を検索する目的で、新学術領域「ゲノム支援」の支援を頂き、長鎖ncRNA領域を含む全エキソン解析を50検体で施行し、癌患者において変異を認める長鎖ncRNAのリストを作成した。いくつかの候補に関しては、より多くの臨床検体を用いた検証作業を行い、ある一定の頻度で変異を認めることを確認した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2014
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)
Cancer prevention research
巻: 7 ページ: 1002-1010
10.1158/1940-6207