本研究は内視鏡によって得られる臨床検体を分子レベルで統合的・包括的に解析することにより、大腸癌において重要な役割を果たす長鎖ncRNAの量的・質的な異常を同定することを目的とした。これまでに20検体以上のヒストン修飾に関するChIPSeqデータを収集し、さらに公共データベースが提供するオミックスデータを用いて統合解析を行い、大腸癌において普遍的にDNAメチル化により不活性化している長鎖ncRNAや、癌で高発現しており発癌に関与しうる長鎖ncRNAを同定できた。また多数の臨床検体でのメチル化や発現状態の確認、さらに癌細胞株を用いた実験により、それら長鎖ncRNAが細胞に及ぼす影響を明らかにした。
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