本研究では、当研究室にて独自に同定した乳がん特異的な創薬ターゲットであるEphrin Receptor A10と活性化T-cellの表面抗原CD3を標的とした新規BsAbの構築を目指した。CHO-S細胞に我々独自に作製したtandem型BsAb発現ベクター遺伝子を遺伝子導入した後、培養上清中のBsAbの抗体の抗原に対する結合性を評価した結果、両抗原に対する結合性を示すとともに、EphA10発現細胞株に対して抗体依存的な細胞傷害性を示した。また、in vivoにおける抗腫瘍効果についてもEphA10抗原の発現に依存した細胞死が誘導されたことから、本BsAbの抗医薬としての有用性が示された。
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